英国トレッキング
(4)各地のフットパスを往く/ウォーキングする(2024.06.19, 23, 25)
フットパスを進むとオールド・マン・オブ・ストーの奇岩が迫る
イギリス全土にパブリック・フットパス(Public Footpath 公共遊歩道)が網の目のように設置されていて、なんと総延長 220,000km を越えるといわれているようだ(これは地球5周半。なお、関東ふれあいの道/首都圏自然歩道は総延長 1,800km であり2桁の差)。湖水地方などの国立公園はじめ自然豊かな景勝地から、身近な町や村の中や周辺等々まで。要所には道標が設けられていてルートの名称や目的地までの距離等がわかるようになっている。多くの人々が日常から自然を楽しんでいる。
主目的のナショナル・スリー・ピークスの合間に、いくつかを散策出来た。いずれも2、3時間程度で、こちらは天候が良い時が多かったこともあり、にぎわっていた。
2024.06.19
(A) オールド・マン・オブ・ストー/スカイ島(Old Man of Storr , Isle of Skye)
登るにつれ風が強まりかなり寒い。振り返ると大西洋(内湾)
オールド・マン・オブ・ストー全貌
スカイ島はスコットランド北部のハイランド地方のさらに西方に位置する。真夏でも荒涼感がハンパない山岳地域を延々と縫うようにかつカっ飛ばして、その地端からさらに海峡を越え、痺れるドライブの末にある地の果てのような島だ。ベン・ネヴィス PH の予備日に、フォート・ウィリアムから早立ちで2本建てのウォーキングを楽しんでみた。
荒涼とした大西洋からの内海(The Minch)を見ながら、1.5 車線程度の頼りない道を進むと奇怪な岩稜帯が現れる。スカイ島随一の景勝地なだけあって 100 台規模の駐車場はほぼ満車状態、観光客で賑わっている(半数程度はインバウンドのようで、ヨーロッパ各国、アジアもムスリム圏、インドや中国からがチラホラ。)したがって大半はにわかウォーカーで、アップダウンがあるフットパスは要所で渋滞気味。
途中で岩稜帯の横をすり抜けて景勝ポイントまで約1時間、高低差は 200m 程度のウォーキング。どんよりとした曇り空、強風、かなり寒いながら終始絶景が広がり満足のウォーキングとなった。
(B) フェアリー・プールズ/スカイ島(Fairy Pools , Isle of Skye)
川に沿って歩くと、徐々に渓相が良くなる
プールの一つ、美しい。泳ぐ人あり
大滝! 落差 12~15m
スカイ島ウォーキングのもう一つ。こちらは島の内陸部に入り込む。テレビドラマで近年俄かに人気が急騰したとのこと。やはり 1.5 車線程度の歪曲した林道を延々と進んでいく。終着点に駐車場があり混雑している。なんとか空きを見つけてからウォーキングを開始した。“天使”の水たまりの名のとおり、イギリスには稀といえる優美な沢に沿って、緩やかなフットパスを登っていく。同じ島内なのかしら? と思うほどに気候は違っていて曇りながら穏やかだ。泳ぐ人がいる! 往復2時間程度、高低差もあまりなくて、散歩レベルでホッとするなか癒された。
2024.06.23
(C) ハドリアヌスの城壁/イングランド北部(Hadrian’s Wall, Northern England)
ローマ時代の砦跡に着いた
北東方面へ長城? が続いている
近づいてみると、上部はフットパス(たぶん)
スコットランドからイングランドに戻る移動日に立ち寄った。イングランド最北、国境の町カーライルから東進して、ニューキャッスルに向かう快適な田舎道をしばし行く。世界遺産に登録されているハドリアヌスの城壁群のなかで、もっとも保存状態が良いといわれるハウスステッズ・ローマン・フォート(Housesteads Roman Fort ローマ時代の砦跡)に着く。週末昼近くであったが人はまばら、空気がゆったりと流れている感じだ。丘を登っていくと小一時間ほどで城址が現われ、展望が開ける。周囲には牧羊地がどこまでも広がっている。
2024.06.25
(D) ダーウェント湖/湖水地方(Derwent Water , Lake District)
森の中のフットパス
私有地(牧羊地)を通してもらう
森の中のコーヒーショップ
遊覧船で Keswick に戻ろう
船上から、ここら辺はピーターラビットの絵本の舞台の一つ
ダーウェント湖は湖水地方北部の中心地ケズウィックの南に広がる美しい湖。湖水地方(Lake District)は南部のウィンダミア湖周辺の人気が最も高く、ワーズワースやビアトリクス・ポタ―(ピーターラビットの作者)にゆかりのスポットが多く点在することから、日本人観光客の人気も集中している。一方北部はスカ―フェル・パイクはじめ山並みが際立っていて、Lake and“Mountain”District という風情である。そのように周囲を山で囲まれるダーウェント湖はイギリス人にとっては格別なようで、実は(日本人は訪れないが)大変な賑わいを見せている。
スカ―フェル・パイクのピークハントの翌日、絶好の晴天が訪れて、昼前にいそいそと湖畔の宿泊ホテルから、湖周をめぐるフットパスを辿ることにした。途中森林の中を進んだりまた行き交う人とあいさつを交わしたりと楽しい。船着き場でサンドイッチを頬張り、周回する遊覧ボートに乗ってケズウィックの街中に戻った。すでにサマーシーズンで平日なのに観光客で溢れかえっている。ホテルに帰ってサイダー~ビール~パブめしの世界に浸っていく。
[メンバー] ケンタ
[山行日] 2024.06.19(水), 06.23(日), 06.25(火)