Moby Dick Center (5.10a) 1P 40m
2025.09.20
Moby Dick Center (5.10a) 1P 40m
ヨセミテ6日目となる日は El キャップベースエリアへ。いつもエルキャピタン見物の観光客で賑わう道路に車を止めて El キャップの取り付きに向かう。巨大な壁がグングン近づいて、一層迫力が増してくる。ノーズを登っているクライマーもすぐそこに見える。

だが取り付きまで来ても、トポのルート同定ができず易しいクラックを登っていると、上から日本語が聞こえてきた。ノーズを登りにきた日本人か? だがしばらくすると彼らは下降を始め、聞くと彼らはビッグウオールではなく El キャップベースのショートルートを登っているとのことだった。Ahab という 5.10b のルートを登っていた彼に聞くと、隣の Moby Dick が 5.10a だという。ようやくルートが同定できたが、トポを見ると下部は 10a だが上部はフィストとなっていて、終了点直下がカブっているようだ。
苦手なフィストがあるのか、嫌だなと思いつつも、終了点はあるし(ヨセミテは終了点がなく、カムでビレイ点を取るルートも多く、その場合は途中での下降が難しい。)、今日はこのルートに賭けようと思い直す。

1P だが 60m ロープでは降りられないとのことで、ダブルロープをもって取り付く。下は細いフィンガークラックで難しく、ナッツが役に立った。これを超すとしばらくは快適なハンドサイズで足を置けるところもある。問題はその上のフィストで、やはり足の幅も決まらず難しい、#4 エイドでようやく進むと、上のカブリは見た目よりは手があり思い切って抜けた。
ルート名の Moby Dick はメルヴィルの小説「白鯨」の白クジラの名前で、道理で隣のルートはエイハブ(船長)なのかと後から知った。
また後日談だが、今秋台湾の龍洞を登りに行ったまっちゃんから龍洞のお薦めルートを聞かれ、龍洞で最後に登ったルートが印象深くて調べてみたら、なんとそれも Moby Dick というルートだったことが判明した。全く意識していなかったが、期せずして龍洞とヨセミテで同一名のルートを登ることになったのだ。
ヨセミテでは巨大な El キャップが、龍洞ではルートの終了点がクジラの頭のような突起となっているのを模して「白鯨」と名付けたのかも知れない。
[メンバー] 純、しんめい、mimi、ふじ
[山行日] 2025.09.20(土)