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入会について

谷川一ノ倉沢中央カンテ

「谷川一ノ沢烏帽子沢奥壁を代表するマルチピッチクライミング~中央カンテ」と、チャレンジ!アルパインクライミング本には載っていたので、中央稜、南稜の次はこれかなと思い登ることにした。あわよくば翌日に変形チムニーも、と計画を立てた。

6/7 谷川岳ベースプラザ駐車場では3時前から出発の準備をする複数のパーティの物音が聞こえる。これまでの週末は天気が良くなかったので、今日の岩場は混雑しそうだ。

一ノ倉沢

一ノ倉沢出合避難小屋に宿泊荷物を置いて、取付きまで向かう。出合から雪渓が残っており、テールリッジまで上がるのは快適だった。

取付きまで

中央カンテの取付きに着き、登攀開始。隣の変形チムニーでは、1パーティが登っていた。途中ルートが合流することになる。4P 目までⅢ~Ⅳ級で難しくはないが、残置支点が非常に少なく、岩が脆いため時間を要して慎重に登る。カム取れず、ハーケンを打つ箇所も見つけられなかった。

序盤

3P 目、支点が欲しい所で岩に丁度いい隙間があったため1箇所ハーケンを打った。後から、たけさんに確認してもらったらバッチリ効いていたようで、回収してもらった。

ハーケン

南稜、中央稜、南稜フランケ、凹状岩壁でクライマーが登っておりコールが響く。落石もあちこちで発生し「ラーク!」も。変形チムニーのパーティと合流点で遭遇し、彼らが先行、途中待ち時間が発生した。

風景

中央カンテのチムニーは、まあまあ面白かった。核心の 8P 目 Ⅳ+, A1(V+)の垂壁とクラックを登り四畳半テラスに上がる。ここは残置ハーケンが十分あり、クラックではカムも決められる。傾斜は文字通りほぼ垂直。テラスは一部崩壊していて、今の広さは二畳半らしいがもっと狭い気がした。

チムニー

核心を過ぎると残置支点が少ないピッチが続き、ハーケンあれば安心する感覚になってきている。晴れると直射日光が容赦なく降り注ぎ、体力を消耗した。日陰が欲しいなぁ。陽が陰ると丁度いい。

終盤

11P 目の終了点に懸垂下降点があり、そこで登攀終了とした。烏帽子岩の肩に当たる地点となる(トポではもう 2P ある)。ここから一ノ倉沢出合まで見渡すことができる。この時点で 13:30、かなり時間が掛かってしまった。

烏帽子岩懸垂

空中懸垂で草付きに下降。更に懸垂支点を見つけて、懸垂状態で笹藪を掻き分けて、南稜方面へ向かった。先行のたけさんがロープをフィックスしてくれたおかげで、自分は安全にトラバースすることが出来た。懸垂下降点を探したが中々見つからず難儀したが、6ルンゼの懸垂下降点を見つけることが出来た。

笹藪

南稜終了点より上の懸垂支点から下降開始。途中1箇所、ロープ回収時にスタックしたが、たけさんが登り返して無事回収。南稜取付き付近まで下降後、烏帽子スラブ付近、テールリッジと懸垂交えて下った。色々と時間が掛かってしまい真っ暗な雪渓の上を、ヘッドライトを点けて下った。

避難小屋に戻った後、雪渓の雪解け水を浄水して飲むと最高に美味い。これぞ谷川岳の天然水。雪解け水で冷やしたワインは言うまでもない。戻りが遅くなってしまったので、翌日は登攀を取りやめて下山することにした。

翌日早朝、避難小屋の周りを歩いていると、猿が数匹、いやどんどん茂みから出てくる。野生の谷川猿軍団?

5月の週末は雨が続き、天候に恵まれなかったが、梅雨入り前ギリギリで登攀出来て良かったなと。時間が掛かり過ぎたのが反省点。支点少なめ、草付き、沁み出し、ルーファイ、不安定な岩、落石、笹藪漕ぎなど、色々ありました。

[メンバー] たけ(L)、ふくいち
[山行日] 2025.06.07(土) – 2025.06.08(日)

[コースタイム] 谷川岳BP発[3:30]〜一ノ倉沢出合着[4:45]〜中央カンテ取付き着[6:00]〜登攀終了[13:30]~南稜取付き付近[18:00]~一ノ倉沢出合到着[20:00]

written by:ふくいち
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