人生2度目 & 初めての歩荷訓練
~人生2度目の歩荷訓練~
人生2度目・・・とブログタイトルに書いたのは、去年の今くらいに相模アルパインクラブへ入会してすぐに歩荷練を初経験し、1年経てこれで2回目。男性は25㎏が基準だったので、1回目、2回目共に25~26kgを背負った。正直、これだけの荷物量を登山で背負ったことはなく、長期縦走の際に背負う15~16kg(野営装備込)が最大量だったので、初めて25kgを背負ったときは、背負ったり降ろしたりする度にしんどいと思わせる程だった。今回は2度目だったので、久々に「この重量感きたな~」と半分くらいの懐かしさがあった。前回の歩荷練では入会して日が間もなかったため、基本的に自分の行けるペースで行ってみると、頂上へ着く頃には後方との差がかなり開く結果となってしまった。山頂に着いてからの待ち時間と山頂の寒さに耐えられずに全員集合前に下山する結果となってしまい、その後も色々と問題も発生してしまったようだったので、なんとも後味の悪い幕切れとなってしまったのは今でも覚えている。今回はもっと重い荷物でチャレンジするか、と思ったが、前日の別件トレーニング明けで身体が消耗していたのもあったため、前年と同重量かつ、最後尾組でゆっくり行くことにした。しんどいようだったら、途中で水を捨てて荷を軽くすれば良いぐらいの気持ちだったので、気楽な感じで歩いていたと思う。
スタートしてから既に分かっていたことだったが、序盤からペースの速い人と遅い人で差が明確に出るようになったので、この差は詰めなければならないな~と思いながら、要所で水を捨ててもらうようにした。この時は素直に水を捨ててもらって本当に良かった。次回以降の歩荷練ではコースの要所に制限時間を設けて、超過した場合は反強制的に水を捨てて荷を軽くしてもらうような仕組みを作った方が良いと頭の中でぼんやり思ったが、そこは次回担当する人にお任せしたい。
序盤から結構遅れていた最後尾組であったが、ちょうどコース半分手前の高取山で先行している組と合流。その後、ペースの違いにより多少バラけることもあったが、蓑毛付近で再合流。その後、表参道合流点(標高1000m)でも再合流して予定時間に遅れることもなく大山山頂へ無事に全員登頂。全員で山頂記念撮影後、重りの水を捨てて荷を軽くした状態で無事に大山ケーブル方面へ下山。前年よりも良い連携感を取りながら進んでいたのではないかと感じた。
下山後のとんかつ屋にて白飯山盛り事件?が発生し、歩荷練で消費したカロリーは残念ながら全て無駄になったが、家に帰るまでが登山という良い教訓の表れだった。こういうことがあるから人生は面白い。
~初めての歩荷訓練~
クライミングを中心に活動している私は、普段のクライミング装備が13kg、しかも歩行時間は長くても1時間。雪山・夏山テント泊縦走もやってきたが、なんとか軽くしようとしてきたし、8月以降、クライミングばかりで、登山をしていなかったこともあり、歩荷訓練には全く自信が無かった。久しぶりに雪山で使用しているザックを出して、「水+その他」を入れて、20kg弱にして背負ってみると、「雪山テント泊に入る前」といった感じの重さだった。すごく重い。この重さで、メンバーのペースで歩く自信は全くなかった。11月7日(日)7時過ぎ、鶴巻温泉駅に集合。ザックの重さを軽量すると19kg程だった。しかし、木につるした重量計で計測すると17.6kg。どっちが正しいかわからないけど、重いほうを信じたい。メンバーも水を汲んで、計測し、幹事が記録をする。先頭はkojiさん、中盤はimoさん、最後尾は私の順で、だいたい歩行していく予定でスタート。
鶴巻温泉駅をスタートし、すぐにザックの重さが辛くなり、気持ちが乗らない。しかも私にはペースが速い感じがした。「速いでーす。」と言うと、トレランが強いTatsuさんが付き添ってくれるが、登山口前の急坂で、どんどん離され、先頭グループが見えなくなった。最後尾は新入会のUTiさん。自分のペースで歩いている。
善波峠に着くと、Tatsuさんが「ここから急になってくるので、水を捨てましょう」という。まだスタートして間もないのに、水を捨てるのは甘えている気がしたし、反則している感じがしたけど、「歩ききることが大事」と聞いていたし、去年は列がばらけてしまったことが反省点だったというから、歩行速度を上げないといけないのだなと感じ、1.5Lの水を捨てた。最後尾のUTiさんも、水を捨てて、歩行速度を上げるようにアドバイスされていた。
その後もTatsuさんに先導されながら、登る。「ここを登れば、少し平坦になって休めます」「あの山が大山ですよ、あそこまで行くんですよ」「ここをがんばったら休憩しましょう」など、声をかけてもらうと、目標ができて頑張れたし、Tatsuさんのペースが一定で、歩きやすかったせいか、高取山で先頭グループと合流することができた。ここで最後尾をimoさんに変わってもらい、私はTatsuさんについていくことにした。
不動越から急坂が続くが、でメンバーは休憩もせずに進んでいく。Tatsuさんが「ここから長い登り坂が出てきますから、水を捨てるなら今です。捨てましょう」というので、甘えていいのかな?!と思いながらも、坂道で速度が遅くなることを指摘されていたし、歩荷よりも、メンバーとはぐれないで登りきることのほうが大切だと感じていたため、水を1.5L捨てる。トータル3kgも軽くなり、私のザックは、普段の重さになった感じがした。Tatsuさんは25kgも背負っているのに、急坂でも散歩するように歩けている。本当にすごい。私はもはや、Tatsuさんの足しか見ていなかった気がする。蓑毛越で先頭メンバーがお昼を食べて和やかに過ごしている。ぜんぜん疲れてないみたいだ。お昼ご飯をさっと食べ、速度が遅い私は、Tatsuさんと早々に2番手で出発。急坂を振り返ると、ゆっくり出発したメンバーがどんどん近づいてきているし、楽しい話声が聞こえてくる。みんなすごい!追い越す人に、「重そうですね」と声を掛けられるたび、「歩荷訓練なんです。」と答え、心の中で「捨てましたけど」を付け加える。
表参道に合流する前、Tatsuさんから「ここからは人が多くなって、渋滞するので、寒くなるかもしれません。着るなら着た方がいいですよ」と、ウェアリングのアドバイスまでもらう。もう専属ガイドさんみたいだった。言った通り、歩きにくい道で、人も多く、リズムをとって進めない。「あと300m」の看板からが長かったのが記憶に残っている。
ついに大山に到着。2番手だった。1番手のかずさんはしばらく待っていたせいで、寒いと言っていた。足のけがの影響で、ザックを軽くしたからと言っていたので持たせてもらうと、私より重いザックだった!メンバーも続々と到着。無事に集合写真を取ることができた。
下山前に、水を思いっきり捨てた。捨てた後のザックの軽いこと!「軽―い」と声をあげてしまうほどだった。しかし、Tatsuさんは、買った水を持ってきてしまい、もったいないといって、25kg背負ったまま下山した。信じられないパワー。下山時は荷物も軽くなり、わいわい話をしながらの楽しい時間となった。
きっと一人だったら歩荷訓練はできなかったと思う。仲間がいるから乗り越えられる。だから、山はやっぱり仲間と登りたい。だけど、仲間に負担をかけないように、ペースを合わせることも大事で、そのためにはTatsuさんみたいに余力を十分に持つことが必要だ。今回、私は全力だったけど、余力をもって歩けるように、クライミングだけでなく、苦手な縦走も取り入れてみようと感じた。
[メンバー] imo(L)、koji、みほさん、Tatsu、ガッツ、たけ、ねこ、しんめい、純、UTi、たまみん、かず
[山行日] 2021.11.07(日)