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【こだま】2024年 8月


もくじ
・こだま寄稿
   何故ワイド?(純)
・8月の例会
・新規掲載の山行ブログ


【こだま寄稿】何故ワイド?
 寄稿:
 2024.08.22

 昨年から私の新たな挑戦が始まった。

 そう「ワイドクラックを登る」という挑戦だ。きっかけはどんなどんな挑戦も似たようなものだと思うが、例えばオリンピックのメダリスト達が競技を始めたきっかけは TV で視たその競技がかっこ良かった、兄弟がたまたまその競技をやっていた等他愛ないものだ。
私の場合はずっと続けてきたクライミングの延長に、それが重なって来たので必然と言えば必然と言えるかも知れないが・・・

 きっかけの1つはタレントの東野幸治が様々な山に挑戦する番組で、ワイドクラックを取り上げていたのを視た事だ。瑞牆で最も易しい「寒々ルート (5.7)」 を登る企画だったが、指導役の山岸尚将が「何故こんな所を登るの?」と聞かれて、「ワイドは人間と岩(自然?)が一体となる感覚が面白い」と言っていたことに興味を持った。
一体となるという意味は良くは判らないが、自然の岩の形状に人間の側が合わせる、身体や動作を工夫して組み立てながら登るという程の意味だろうか?

 2つ目は、自分がこれまで登ってきたクライミング、フェースやエイド、ハンドサイズまでのクラックとは違う領域のクライミングだなと思ったことだ。
私が入会した頃は、いわゆるアルパインクライミング全盛の時代だった。広沢寺から始まった岩登りはやがて谷川、穂高、剱の壁へ向かう。中でも谷川の一ノ倉がその中心で、未だ関越道が全線開通する前で前橋 IC から先は下道を一ノ倉出合まで、毎週のように通い詰めた。(しかもその頃の足下は、クライミングシューズなぞ未だ無く、アッパーはナイロンのペラペラ、靴底はスポンジのアップシューズで各ルートを登っていた。)
その後はクライミングの歴史の通り、フリーの風が吹き、ヨセミテの影響もありクラックの技術も入って来た。

 フリーの時もそうだったが、体が並の人以上に固く、関節の可動域も少なく、精神的にも怖がりな私にとっては、それらの技術に慣れ、習得するのに随分と時間がかかった。
とりわけクラックについては、ジャミングをすれば手がすっぽ抜ける、自分のカムセットは怖くて信用できず、湯川の「デゲンナー (5.8)」をリードするのすら必死で、難しいルートのリードは全てカミさんに任せていた程だ。
数年間登り続けたことで、ようやくハンドサイズまでのクラックはなんとか登れるようになった。しかしそれより広い幅のワイドについてはもっと技術が必要とされ、しかもギアもキャメロット #5 以上(ハンドサイズは #3 まで)は持っていなかった為、登る対象としては考えていなかった。しかし最近では若いクライマー達の間でのワイドの流行? や、これまで登ってきたクライミングでワイドだけ登らない理由もないなとは感じていた。

トラベルチャンス (5.10a)・・・とっても難しい。

 そして3つ目は、これまで実践してきたアルパインクライミングの「より高く、より困難」からも、より困難な課題に挑戦する価値があると思ったことだ。

 これらの3つのきっかけを契機として、昨年ワイドの講習会を受講した。一度目はレッジに来ていた田中ガイドの昇仙峡で、チキンウイングを始めとしたワイドの基礎技術、二度目は瑞牆で北平さんからニージャムの仕方等を教わった。(当時から北平さんはワイドの名手として斯界では有名だった、だがワイドに関心の無かった私は彼がワイドで有名なクライマーだったこと、またその年にセンチュリークラックという世界ワイド最難関のルートに挑戦するという事も知らなかった・・・)

 2回のワイド講習を受講した後、次はどんなトレーニングが必要かについて考えた。 そこで思いついたのが、ワイドの宝庫と言われている瑞牆でとにかく初級のルートを片端から登るという作戦だった。そのルート選定基準として、トポの中から手始めに 5.7 から登れる可能性のある 5.10c までのグレード、またワイドなのでカムの #4 番以上を使用するルート、あまり登られていないルートは避ける為最低でも人気の指標である☆が1つでも付いているルートを拾い出していった。その結果当初選定したのが「瑞牆ワイド入門 56 ルート」で、早速一番易しい 5.7 の寒々ルートから登り始めた。

 ところが登っている途中の昨年秋に、瑞牆トポの改訂版が出版され、それまで2巻だったトポは3巻になり、新たに開拓されたエリアの新しいルートが掲載されていた。
改訂版を購入し、先述の基準通りに再びルートを選び直した所、なんとルートは 77 本とさらに大幅に増えてしまった。
課題が増えてしまいやれやれという感じになったが仕方ない、残っているルートを淡々と登り続けることにした。

 この時点で登ったルートは 38 本で、後 39 本が残っている。とりあえず 77 本を登ってみようという主旨で始めた挑戦なので、他の人が張ってくれたトップロープ、自分のリード、A0 でのトップアウト等の登り方については問わないことにしている。(実際今の自分のレベルでは登れない難しい 5.10a のルートも結構ある 、ワイドは難しい。)

 始めてしまった今も、ギアの多さや長いロ-プ(60m が必要なルートも)等の荷物の重さ、全身の筋肉を使った奮闘的クライミング、アプローチの遠いエリア等や年齢もあり、幾度もめげそうになる。

 「岩と一体になる」境地に達するのは一体いつの事だろうか?

キューピーママの岩塔(体が抜けなくなった)

かぜひきルート(メチャクチャ難しい 5.10a)

(了)


【8月の例会】

日時:8月7日 19:30~21:15
場所:相模原市大野南公民館
出席:しんご(司会)、UTi(議事録)、なべさん、純、わかさん、KuriG、tam、しんめい、かず、佐和ちゃん、Kimi、ガッツ、みほさん、mimi、ふくいち、もん、ふじ、みなちゃん(18名)
見学:2名

例会後の懇親会

何時もの処

 


【新規掲載の山行ブログ】

◆ 2024.07.14     阿武隈川南沢 (ガッツ)
◆ 2024.07.15 – 07.17  海に浮かぶ山 利尻山 (Kimi)
◆ 2024.07.20 – 07.21  小川山マルチ ~あみだくじ、流星めぐり~ (ふくいち)
◆ 2024.07.28     火打石谷 (みず)
◆ 2024.07.30 – 08.01  女子アルパイン Vol.3 北岳バットレス (mimi)
◆ 2024.08.03     小川谷廊下 (コッシー)
◆ 2024.08.11     錫丈岳左方カンテ (たけ)


おわり

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会員は相模原・厚木エリアを中心に、
町田、横浜、大和、座間、海老名、八王子に在住し、
様々な登山ジャンルで活動している地域山岳会です。

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