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英国トレッキング
(2)ベン・ネヴィス/スコットランド(2024.06.18)

階段がある羊柵

 ベン・ネヴィス(Ben Nevis / 1,344m)は、スコットランド北部のハイランド地方に位置する、イングランド、ウェールズ、スコットランドの各最高峰からなるナショナル・ピークスの一つ。イギリス(グレートブリテン島)の最高峰ということから、多くの登山者が山頂を訪れる人気の山域となっている。
 標高自体は塔ノ岳(1,491m)より少し低い程度ながら、遥かに高緯度であり寒冷、天候は総じて不良(晴天は年間 60 日程度、山頂の気温は晴れた真夏でも5℃以下、かつ絶えず強風)、一般の登山/トレッキングの適期は6~9月と短い。なお、北壁ではクライマーの人気が高く、冬季登山とアイスクライミングが盛んとなっている。

左上:ネヴィス川
右上:羊の群れ
左下:放牧場から延びる道、右奥のベン・ネヴィスは雲のなか
右下:登りの道と右に沢筋、正面奥がベン・ネヴィス、ガスって見えない

 当日は麓で終日曇り気温は朝8℃、昼 15℃、山頂は朝曇りのち霧(mist 実質しとしと小雨)で昼から雨(shower ザーザー雨)、気温は昼3℃との予報。かなり肌寒いなかスタートした。またまた羊の放牧エリアを抜けて整備された石畳風登山道をゆるゆるとひたすら登っていく。ポニートラックというメジャーなハイキングコースで、距離は長いものの急なアップダウンがない。

左上:ミール湖、実は横殴りの雨
右上:渡渉
左下:眼下にミール湖、ここまで登ると風雨は遮られる
右下:ジグザグ道を登る、一瞬で本日唯一の陽の光

 思いのほか悪くない天気だったが、三分の一ほど登ると一旦平地、小雨と強風がはじまった(あーあぁ~)。レインコートを着込んでミール湖を左手にしばらく進む。
 90度向きを変えて右手の前衛の山に取付くと、風が遮られ、ホッとしつつ高度を稼いでいく。ほぼ中間点にある(イギリスにしては)水量豊富な沢を渡って、傾斜が増してくるジグザグ道を登り詰めていく。

左上:山頂手前で学童登山に出会う、荒天なのでうつむき加減だが、実はキャピキャピ元気だ
右上:山頂の石碑プレートと避難小屋
 下:賑わっている

 傾斜が緩むと山頂が近くなるが風と雨も本格的になる。かなり寒く視界も良くないが小一時間我慢して山頂に着いた。
立派な石碑プレートとなんだか日本のほこら風の避難小屋がある。ガスガスで視界なく、体感温度は0~ -5℃程度でジッとしてられない。皆さんはマッタリと寛ぐ感じで、足早に立ち去るような人はいない。賑わっている。

左上:残雪、右にベン・ネヴィス 700m 北壁の落ち口
右上:眼下にミール湖、遠くにリニ―湖/外海に繋がっている
左下:登山道、ふもと近くで森林限界点に戻った
右下:ふもとの紫色の花

後日別方面からの全容、本峰は正面奥で見えない

 下山路は今回もピストン。山頂直下の右面は切れ落ちている。残雪があり慎重に通過。登りで辛かったつづれおりの急坂を下降するにつれ、いきなり天候が回復してくる。スノードンと同じパターン。ぶらぶらと怠惰に下山した。

余談2(宿の確保)

フォート・ウイリアムのハイエンドな B&B

 前日は北ウェールズから登山口のフォート・ウイリアムまで、レンタカーの新車トヨタヤリスを駆って高速道路と一般道路を延々 400 マイル(約 640km)の最長移動。4泊するリーズナブルな宿がなかなか見つからない。ようやく探し当てたのはハイエンドな B&B、他にチョイスなく投宿した。それからスーパーで買い出し、また長い一日を過ごした。
 イギリスの宿泊事情は激変していた。1990 年代、週末や連休に国内旅行をする際、空き室あり(vacancy)の看板があれば直接尋ねて泊るのを常としていた。また、街中のインフォメーションセンター(information centre 旅行案内所)で探してもらっても簡単に確保出来た。要するに場当たり的にどうにでもなったものだ。
 今回、ランベリス(北ウェールズ)の初日からの2泊は何か胸騒ぎがして、出発直前にたまたまセールだったこともありホテルを予約しておいた。そして以降はなんとかなるハズと。これが大間違いだった。
 フォート・ウイリアムではインフォメーションセンターで探してもらうが、昨今は個人でのネット検索が当たり前のようで、スタッフはやる気ない様子がありあり。1泊 400 ポンド~(8万円~)ならある・・・というつれない対応にがっかりした。止む無く宿泊施設が多そうなあたりを徘徊したが満室(no vacancies)ばかり、ようやく1軒見つけてかなり高かったが投宿とした次第。

ランベリス / 北ウェールズの老舗ホテル

左上:スターリング / エジンバラ近郊の学生寮
右上:同室内
左下:ケズウィック / 湖水地方のやや古びたホテル、バックヤードから
右下:同室内

 以降はネットで検索して(ブッキング・ドットコムが使い勝手がよかった)、エジンバラ近郊スターリングの学生寮(夏期は一般に開放している @60 ポンド)に2泊。湖水地方のケズウィック近郊のやや古びたリゾートホテルに3泊(@90 ポンド)を確保した。

余談3(食事)

 右:フィッシュ&チップス / テイクアウェイ
左上:ビール / ホテル併設のパブのテラスで
左下:パブめし/ガモンハム・焼きパイナップル・グリーンピース盛り・チップスなど

 一方で食事の事情は 30 年前から変化なし!
 朝食はイングリッシュ・ブレックファスト(イギリスソーセージ、イギリスベーコン、目玉焼き、焼きトマト、焼きマッシュルーム、ハッシュドポテト、ベイクドビーンズ、イギリス食パンなど)、どの宿も味に大差ない。個人的には好きで毎朝せっせと飽きることなく食べた。
 昼食は、トレッキングは寒いので行動食(ビスケット、スコーン、ポテチ、チョコ、リンゴなど)。観光や移動時は昨夜の残りまたはサンドイッチ(@700~900 円)。サンドイッチは種類が豊富で総じて美味しい。
 夕食は、主に、スーパーのサラダミール(@1,000 円~)、またはテイクアウェイでフィッシュ&チップス(@2,500 円~)や中華(@2,000 円~)。スーパーのチーズと果物(夏場でラッキー。ベリー類、プラム・ピーチ類が豊富でいずれも美味)を加えると、栄養バランス的にも十分満足できる。
 ケズウィックのホテルは、老朽化が目立つもののオールドファッションなリゾートホテルで、併設のパブも良い感じ。いわゆる”パブめし”とした。騒がしいが出来立てかつチップ不要で提供される。慎重に選べば非常に美味しい。また食べなかったがピザ、ハンバーガーとすれば大きく外れない。なお、結局レストラン系ビストロ系には高いし外れが多いこと(経験上)もあり行かなかった。

(続く)

[メンバー] ケンタ
[山行日] 2024.06.18(火)

written by:ケンタ
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会員は相模原・厚木エリアを中心に、
町田、横浜、大和、座間、海老名、八王子に在住し、
様々な登山ジャンルで活動している地域山岳会です。

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