【こだま】2024年 11月
もくじ
・こだま寄稿
生き延びる(しんめい)
・11月の例会
・新規掲載の山行ブログ
【こだま寄稿】生き延びる
寄稿:しんめい
2024.11.29
“ほとんどのクライマーは、スポーツの危険にうまく対処していますが、国立公園では毎年 100 件を超えるクライミング事故が発生しています。事故の原因は何か? クライマーは事故を避けるために何ができるのか? そもそもクライミングはどれほど危険なのか? これらの疑問を念頭に、National Park Service (NPS)、国立公園局は 1970 年から 1990 年にかけて公園で発生した重大事故のほとんどを調査しました。その結論は、生き延びたいと願う人にとって興味深い内容です。”
上記は、最近手にしたクライミング・トポの書籍『Rock Climbing Yosemite Free Climbs (1994 and 1998)』や『Yosemite Vally free climbs : Supertopos (2003)、Google 翻訳修正、以下同じ』に掲載されている、米国国立公園局捜索救助隊の John Dill 氏による10ページ程のレポート「Staying Alive(生き延びる)」の冒頭部分。
「事故の原因は何か? 事故を避けるために何ができるのか?」は、自分自身の事故の経験や事故を身近に見聞きするたびに考えさせられることです。先達の労により事故事例集などにまとめられた書籍は多い。それらの内容は、経緯、経験、技能、技術、天候、装備など様々。この 10 ページ程のレポートも同様な次の各節を伴っているが、特に注目したのは「States of Mind(心の状態)」節。
Environmental Dangers(環境の危険)
Unplanned Bivouacs(計画外の野営)
Climbing Unroped(ロープなしでのクライミング)
Leading(リーディング)
The Belay Chain(ビレイ チェーン)
Helmets(ヘルメット)
States of Mind(心の状態)
Rescue(救助)
Risk and Responsibility(リスクと責任)
“これが安全の鍵です。何人のクライマーが焦りや自信過剰で亡くなったかはわかりませんが、生存者の多くは、何らかの理由で長い間適切な判断力を失って怪我をしてしまったと言います。これは複雑な問題であり、時には扱いにくい問題です。それでも、少なくとも3つの心の状態が事故の原因となることがよくあります。それは、無知、気軽さ、注意散漫です。”
とは「States of Mind」節の冒頭。”無知”、”気軽さ”、”注意散漫” の各項目がこの後に続く。亡くなった人の心の状態は分からない。気軽に行動を起こしたのか、何かの楽しみに気をとられて注意散漫になっていたのか・・・と推測するしかない。
時間の経過に伴なってテクノロジーやクライミング技術は進歩・向上し、装備も改善され、より遭難や事故が生じない方向へと進んでいるが、人の心はどうだろうか。毎年、年齢に関係なく岩登りや沢登りなどのバリエーション登山に興味を持った新人が生まれる。その心構えの成長はその時から始まることになると思うが、クライミングなどの技術の向上程には重く見られていないのかもしれない。
尚、「Staying Alive レポート」は次の URL 等からアクセスできるのが分かった。少しでも許容範囲を超えた事故に遭わないための参考にしたいと思う。
Supertopos: Staying Alive
http://mail.supertopo.com/topos/yosemite/stayalive.pdf (参照日 2024.11.28)
climbing advice: Staying Alive – by NPS Ranger John Dill
https://marydonahue.org/27373-2 (参照日 2024.11.28)
(了)
【11月の例会】
日時:11月13日 19:30~21:10
場所:相模原市大野南公民館
出席:mini(司会)、たけ(議事録)、なべさん、みず、tam、ケンタ、しんめい、かず、佐和ちゃん、Kimi、しんご、UTi、もん、みなちゃん、Chai(15名)
例会後の懇親会
【新規掲載の山行ブログ】
◆ 2024.09.22 – 09.23 前穂高岳北尾根 (まり)
◆ 2024.10.12 – 10.14 御在所岳遠征 (しんご)
◆ 2024.10.19 懇親山行 (みほさん)
おわり