【こだま】2025年 2月
もくじ
・こだま寄稿
山岳事故について考える(みず)
・2月の例会
・新規掲載の山行ブログ
【こだま寄稿】山岳事故について考える
寄稿:みず
2025.02.02
会に入って間もないころに5月頃の残雪期、雪訓とボッカトレをせず北アルプスで滑落事故の報告がった。当人たちは怪我をされたようで当人たちによる報告はされなく話は終わり、そのあと退会してしまった。それからいくつもの事故を聞いたり私自身も事故や遭難をした。
人間であるし、自然相手なので何らかのミスで事故につながる。少しでもリスクを失くそうとするリスクマネジメントが必要だ。したとしてもおこるものは起こってしまう。
ある程度の知識や技術を身に着けた人や背伸びをして少しグレードを上げる人の方が事故に遭いやすいように思う。
私も最初の事故は単独で沢登りが終わって近くのピークから尾根を下って最初の登山道に出る予定であったが、ピークから尾根を下って行く途中で尾根を逸れてしまい沢筋に降りてしまった。沢装備もあるしそこの沢の遡行図も持ち合わせていたので安易に降りてしまった。ロープを出すかクラムダウンで下りようか大丈夫な岩を探しているがどれも動く岩ばかりであった。最後にこの岩が安全でなかったら戻ろうという矢先に足元が崩れて 4~5m ほどの転落してしまった。足から落ち後ろに倒れ後頭部も当たったが幸いにもヘルメットしていたので問題はなかった。手足の指のしびれなどは無かったが立つことができなかった。このころまだ携帯の電波も今ほど状況は良くなく谷筋ということもあり試すことはしなかった。夕方には雨が降る予報もあったのでどうするかと焦る気持ちを抑え一呼吸おいて(ここでは白湯と行動食を摂る)これからの行動を考える。自力下山以外の選択肢はなく遡行図を見て沢を下って行く最初は四つん這いになって降りるが直ぐに膝が痛くなったので、お尻を付いて尺取虫状態で下って(途中の行動は割愛)何とか林道が見えたときは助かったと思った。
2回目は雪稜での事故(4人パーティ―のうち死亡者1人(低体温症)出してしまう)。気象遭難。うち2人は凍傷が酷かったのでヘリで搬送され、私も軽い凍傷があったが、自力下山で救助隊2人に連れられた。
3回目はアイスで装備不良でロープが凍ってしまいテンションがかかったら破断してしまうのではないかというリスクと夜半からの降雪予報。途中いろいろアクシデントがあり行動が遅く日が暮れてしまった。高巻きができるかどうかも偵察行くが一部ベルグラで支点も作れるとこが無く躊躇し断念した。その結果リーダー判断で救助を要請してしまったがその晩は安全なところでビバークし一夜を過ごす。翌朝救助もいつ来るかわからなかったので行動した。ベルグラで断念した対岸に高巻きができるルートが分かってそちらから登っているところで救助が来たので行動を中止し後は指示に従った。怪我等はなく積雪もあったのでヘリでの救助となり無事下りてくることができた。
怪我や遭難をしても自力で下山ができればよいが救助を求めると消防や警察民間の救助隊が出てくる。その人たちもリスクを背負って助けに来てくれる。登山者、クライマーは遊びや趣味でチャレンジにやってくる。その結果事故や遭難で救助を呼ぶ。救助する消防や警察民間の救助隊も仕事とは言えリスクを背負わせてしまう。
救助を呼ぶのは恥と思う時期もあったが、どうにもならないときは潔く呼んだ方が良いのではなかと思うようになった。救助に来てくれる救助隊や同パーティーの仲間、現場近くまで駆けつける会の仲間本当に身に余る思いである。
高みを目指す、目指ささなくても事故は無くならないが、少しでも減らせるように自己研鑽し、計画の段階でリスクも考えた行動をとった方が良いのかと思うところである。
(了)
【2月の例会】
日時:2月12日 19:30~21:00
場所:相模原市大野南公民館
出席:ふくいち(司会)、もん(議事録)、なべさん、純、わかさん、みず、ケンタ、しんめい、佐和ちゃん、ねこ、UTi、ふじ、みなちゃん、かつのり(14名)
見学:1名
例会後の懇親会
【新規掲載の山行ブログ】
◆ 2024.12.28 – 12.29 甲府兜岩で登り納め (ごろ)
◆ 2024.12.31 – 01.03 海~!クラック!in 尾鷲 (ねこ)
おわり