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夏の冒険!裏劔へ

登山を始めて4年ほど、劔岳に登ったことはないけれど、ジム友が毎年夏に必ず訪れているという裏劔が気になっていた。昨年は足の怪我で夏山は一つも行ってない。話を聞いているうちに、この夏は裏劔だ! という気持ちになっていた。

池の平小屋へ向かう道は一般的に二股からは仙人新道だが、北股の雪渓を行くと涼しくていいらしい。6本爪アイゼンを購入。ジム友が訪れた1週間後に我々も訪れることになった。

1日目
8月2日(土)
室堂 9:30 出発。この日は池の平まで一気に進む計画だ。

ここからの眺めはいつ見ても素晴らしい!

1週間前に熱を出し、病み上がりのため咳が残っていたが、予定したコースタイムはしっかり守られていた。順調だ! いける! しかし、それにしても暑い…。久しぶりのテント泊装備に雷鳥沢の登りはこの日一番堪えた。
ふくいちさんも暑さが厳しそうだ。
劔岳の前の有名な道標の前で記念撮影!

劔はちょっと雲隠れ

あの裏側へこれから行くんだね、と位置確認。

13:30
劔沢の雪渓からはぐっと登山者が減る。
アイゼンを準備していたところ、雪渓の先に熊がいるとの情報。
他の登山者と固まって待機。しばらくしてから様子を見ながらゆっくり行動を起こす。
雪渓歩きは初めてなので、ふくいちさんに先頭をお任せする。

日差しが強すぎて雪渓上でも暑い…

アイゼンの着脱を繰り返し、本日の雪渓ゾーンは終了。

15:00
熊による待機時間もあったので、この日は無理せず真砂沢ロッジ泊とした。
この日のテント泊者は我々含めて6組。予約不要。
着いて早々にビールで乾杯!日が暮れるまでのんびりと過ごす。
下山後に判明したが、私だけ足首をブヨに 20 ヶ所以上刺されていた…。年々虫に好かれている気がする泣

2日目
8月3日(日)
5:30
この日の目標は池の平小屋なので、ゆっくりめのスタート。
しかし、もっと早く出発していればと、後に後悔することになる…
川を越え、丸太の橋を越え、雪渓を越え、ルートが変化に富んでいて楽しい。

北股の雪渓からはジム友の情報を照し合わせながら進む。感謝!

朝の雪渓歩きは大変涼しく歩きやすい。なんて快適なんだ〜

8:12
落石に注意しながらついに泣き坂に到着。ここでアイゼンを外して急登を行く。
この手前から思っていたことだが、泣き坂に入ってからも頻繁にピンクテープがあることに気づく。少しでも登山客を迷わせないよう、小屋の方の心遣いが感じられる。小屋への道はかなり狭い登山道だが、しっかりと下草が刈り取られ、危険箇所のロープは新品のようにきれいだ。

8:50
一気に開けた場所に出てきた。ついに池の平に到着!
お花畑に池塘、素晴らしい山の眺め。楽園のよう!

背後の山肌の雪渓は「モンローの唇」と言われている

ひとしきり記念撮影をした後、予定通り、池平山に登ることに。
下山したら小屋の炒飯を食べるんだ!
テント場から見える池の平山はこんもりとしたお椀型でいかにも登りやすそう。
サクッと登って戻るつもりでいたのが…

しばらく登ると木々はなくなり、頂上らしきものが見える。強烈な日差しに焼かれながら、まだかまだかと頂上を目指す。見えている分、長く感じる。あまりの暑さに日傘をさして歩き出す。心の中ではいつ引き返そうかと考える。道は終始急登でふくいちさんも辛そうだ。
なんとか頂上に着くと劔が間近にあった。360°の素晴らしい景色を堪能したあと、炒飯を目指して下山を開始する。ふと、軽食の時間は何時までだったかな?
元来た急登を下り、急いで小屋へ。14 時 10 分前!間に合った!と思ったが、軽食は 13 時までだった…。朝、真砂沢ロッジの出発を遅めたことを、ここで大いに後悔する。

この小屋では、連泊者限定で坑道ツアーをしているようだ。次回はぜひ小屋に泊まってみたいと思う。

3日目
8月4日(月)
4:00
ヘッデンを点けて出発。こんな朝早くから小屋の周囲にたくさん人がいるなぁと思っていたら、なんと小屋の方々のお見送りだった!「お気をつけて〜」と手を振ってくださる。私たちのために総出でのお見送りに心が温かくなる。また、来ます!

三ノ窓雪渓の前で

涼しい北股を下り、その後はひたすら黒部ダムを目指す。日が出てくると、とにかく暑い。
沢の水で体を濡らして冷やす。こまめに休憩を取り、下山メシの話で元気をなんとか保ちつつ前へ進む。この日は登山者に1人も会わなかった。

最後の橋

ついに鉄製の黒部ダム駅の扉を開けると、一気に冒険は終わりを告げた。
暗い通路から吹き寄せる寒いくらいの冷気。英語と中国語のアナウンス。あぁ、終わったんだ。安堵とちょっぴり寂しい気持ちだった。

下山メシは2人で決めたそば!源泉かけ流しの温泉に入り、道の駅でお土産を購入し、渋滞もなく帰路に着いた。

天ぷらそば

この山域は人が少ないためか、宿泊した2つの小屋の予約(テント泊)は不要だった。静かな歩きを求める人にはおすすめの山域だ。
2年ぶりの夏山縦走は大変素晴らしい体験となった。

[メンバー] ふくいち(L)、まっちゃん
[山行日] 2025.08.02(土) – 08.04(月)

written by:まっちゃん
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会員は相模原・厚木エリアを中心に、
町田、横浜、大和、座間、海老名、八王子に在住し、
様々な登山ジャンルで活動している地域山岳会です。

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