NZトランピング:ルートバーン・トラック(ROUTEBURN TRACK)
三日目 / 下山口のルートバーン・シェルターの案内板
ニュージーランドは北島と南島からなる南北に長い島国、総面積は約 27 万平方 km と日本のほぼ 3/4、これは北海道を除くとほぼ同じ。南太平洋に位置しタスマン海を隔ててオーストラリア大陸に面している。日本も南北に長い島国で、西太平洋に位置し日本海を隔ててユーラシア大陸に面している。
地理的には山がちな島国で温暖な気候となんだか共通点が多くある。一方で人口は約 530 万人と日本の 1/20 に満たない。特に南島は最大都市クライストチャーチで 40 万人程度であり、一旦市街地から離れてドライブすると、酪農王国なのに羊たちですらまばらになる。
まとまった山行ができる身分になったので、南半球ニュージーランドのトレッキング(現地ではトランピング / Trapping という)を楽しんできた。
ルートバーン・トラック(Routeburn Track)は、DOC(NZ 環境省)管理下の “The Great Tracks”(絶景なる NZ ベスト 10 トレッキングルート)に選定されている超人気ルート。山中の予約制山小屋(Hut)の確保が極めて難しい。運良くゲットできたことから、いそいそと行ってきた。
南島観光の拠点 Queenstown から早朝のコーチバスで約3時間、車中ではアメリカ・カリフォルニアからわざわざ来ている母息子のお二人とご一緒しつつ(当方も日本からわざわざ来ているが)、フィヨルドランド地方の中心エリアにあるデバイド(Divide)の登山口で下車し、快晴のなか歩きはじめた。緩やかな登りはシダ林で涼しい、早くも NZ にいる実感ありありのなか、一旦メインルートから右に外れてしばし急坂をいくと、景勝地のキーポイントに至る。
キ―サミットでは池糖が晴天に映える
周辺は散策できる
快晴なこともありいきなりの絶景! 足元の池糖、そして見上げると手が届くような冠雪山岳群。多くは日帰りハイカーとのこと、訪れる価値は絶大といえる。
圧巻の 174m アーランド・フォール / 水しぶきで写真が上手に撮れない
分岐点まで下降してメインルートに戻りしばし行くと、ルートバーン・トラックでは最大級の 174m アーランド・フォールに至る。見上げて見惚れるほどに首が痛い。滝つぼ付近を半周してから、緩やかにアップダウンを繰り返すうちに、マッケンジー小屋に到着した。
トラバース
トラバースが延々と続く / 眼下に美しい渓谷
二日目は、早朝から外来動物の駆除のため、ヘリコプターで薬剤(Poison)を広く散布するとのことで、11 時からのスタートとなった。マッケンジー湖を眼下にジグザグに登り(コース最大の急坂!)、ピーク間近ではなぜか PH しないで以降延々とトラバースする。広大な谷間の対岸には 3000m 級の冠雪の山稜がつづらって、当コースのハイライトが展開している。
ハリスサイドの山頂湖 / 意外に大きい
下降を始めると遥かにルートバーン・フラットが俯瞰できる
コース最高地点のハリスサドルに着く。往復2時間程度で更なる最高地点のコニカルハット 1814m があるが、お疲れ気味でパス(前々日の 13 時間余の長いフライトが響いたか?)。出発前に作ったサンドウィッチ、リンゴ・アプリコットなどで遅めのランチとして、素直に小屋があるルートバーン・シェルターへ、こちらも素晴らしい景観のなかの下降となった。
優美なルートバーン・フォール
ルートバーン・フォール小屋は最高のロケーション
ルートバーン・フォール小屋は、同名の滝の直下にあり、NZ(固有?)ヒノキ林のなかにたたずむ絶妙なロケーションで、ベッドルーム、キッチン・ダイニング・リビングの素朴でシックな雰囲気がまた素晴らしく、心安らぐ。持参したスコッチをチビリと飲み、周りとボソボソながら話しつつ、楽しい。また、ここのレンジャー(管理人)は個性的で、宿泊者全員にコメントを求めつつ延々1時間超の独演的なミーティングであった。
うっそうとしたシダの道 / 野鳥のさえずりが爽やか
ルートバーン河を立派な橋で渡る / 淡い青銅色にトレッキングの終着感が漂う
最終日の三日目は、早朝の出発としてしずしずと下降。平坦になると NZ らしいシダの森林となり、異国の野鳥のさえずりも楽しみつつ、ルートの名称となっているルートバーン河を幾度か立派な橋で渡って、ルートバーン・シェルターにたどり着いた。
余談:ルート上の各小屋は、完全予約制で定員はわずか 40 名程度。双方向のルートが可能であり、単一方向では約 20 名が三日間前後して歩いて同じ小屋に泊る。したがって、一日目からなんとなく顔見知りになってこれが意外に面白い。東海道中膝栗毛の NZ バージョンといえる“ふれあい”があった。日中は抜き抜かれ(How many times we say Hello! とか言い合ったりして)、写真を撮ったり撮ってあげたり、小屋ではどこから来たの? 京都や東京に行ったことがある、そちらのお国に行ったことがある、いつかは行きたい等々。カリフォルニアの母親息子、オーストラリアの家族、ドイツのカップル、イギリスのカップル、南アフリカの老夫婦、地元 NZ オークランドのグッドガイ等々。なお、アジア系はいるものの話しの輪に入いらない(たまたまかも)。
[メンバー] ケンタ
[山行日] 2025.12.11 – 12.13