前穂高岳北尾根を行く
2年振りの上高地。
前回は地元の友人にテント泊デビューをしたいと言われたので、涸沢をベースに一般登山道を通り奥穂高岳と北穂高岳のピークハントへと出掛けたが、今回はその奥穂・北穂から良く見える前穂北尾根の峰々へ。当時の私は「あそこは歩けるのか?」と疑問に思っていたルートを今回行くことになった。
計画は前々から立てていた訳ではなく、急遽に近い形での計画となった。
相方は相模ACへ数か月だけ先に入会したkoji。クライミングの歴も技術もほぼ一緒。
計画が決まり、装備の準備をしていく中で、一抹の不安がよぎる。
「最近、アプローチが良いクライミングにしか行ってね~な・・・」
そう、重い荷物を背負って長い距離を全く歩いていないのだ。。。
先日行った阿弥陀岳・赤岳は、UL仕様。おそらく5kg程度しか背負っていない。
う~ん、装備どうしよう・・・。
重いザックで北尾根行ける気がしない・・・。
共同装備と食糧についてkojiと連絡を取り合い、最終的には15kg以内に収めることが出来た。
登攀時にはロープやガチャ類をザックから出すため、何とかなるだろう。
で、出発当日。
kojiの車に乗り込み、あーでもないこーでもないと駄弁りながらさわんど駐車場に到着し、バスで上高地へ。
【さわんどバス乗り場】
【上高地に到着】
【河童橋】
8時半頃上高地を出発し、徳澤・横尾で十分な休憩を経て、涸沢には14時頃到着。
幕営後、北尾根に上がる5.6のコルへの取りつき及びルートを下見に行く。
〇印やケルンを頼りに概ねのルートを確認し、やっと本日のおビールタイム。
本日の夕食はこちら↓
【おビール!】
【ローストビーフカレー】
ローストビーフはKojiが家で何度か作り、これなら筆者を納得させられるだろう!と満を持して持ってきたもの。これがまたビールと赤ワインに良く合った。サンキューkoji!!
翌朝3時に起床し、テント撤収、荷物の整理、全て済ませ、4時に北尾根に向け出発。
昨日の下見が功を奏し、迷うことなくコルへ到着。
その間にもだんだんと空が明るくなり、コルへ到着後には奥穂高岳を染める。
同時間帯に北尾根を行くのは合計4パーティー。2組は既に5峰を行っており、自分たちは3組目。
それにしても天気が良い。時間の経過とともに風が強くなる予報だったが、今日一日崩れることも、雲が広がることもなさそうだった。
5峰は登攀というにはほど遠いくらい。
2年前にあんなところ歩けるのか?と思っていたルートを、今行っているという気持ちと、景色の良さでテンションがあがる。
4峰、ここはロープを出す人もいるとの事前情報を確認していたが、風もまだそこまで強くないため、ロープを使用せずフリーであがるが、先ほどの5峰よりも高度感や浮石の存在で緊張はしたが、この緊張感を求めていたくらいなので、とても楽しい。
4峰にあがる前に後続パーティーには先を譲っていたため、うちらは最終パーティーとなっていた。
3峰には2組目のパーティーが取りついており、登攀開始まで30分ほど待たされた。
先行パーティーのフォローが登り始めたので、ビレイ点を作成し、程よい距離が空くのを待って、登攀開始。
1ピッチ目:しんごリード
登山靴での登攀に不安を持っていたが特に問題はなかったが、先行パーティーに追いついてしまった。4峰で先に行かせたのは失敗だったか?そんなことを顔に出すわけにもいかず、ちょっとだけ左にずれてビレイ。
2ピッチ目:kojiリード
先行パーティーは左のチムニーを行き、kojiは右のチムニーを行く。
写真で見るよりもチムニーは大きかった。
3ピッチ目:しんごリード
ビレイ点からすぐを垂直的に上がったのが核心。その後はどうだったか全然覚えてない。
終了点は3峰から2峰へは少々歩いてピークへ向かう。その際、一応アンザイレンで進む。二人とも本番でのアンザイレンは初めてなのでそれも緊張したが、いろいろと考えながら行うのは勉強になる。
2峰の下りで10mほどの懸垂下降があったが、先行パーティーが強風にもかかわらず下降点へロープを投げたらしく、それが風に煽られてしまい引っ掛かって難儀していたようで、30分以上待たされてしまい身体が冷えてしまった。
やっと懸垂を終え、前穂のピークへ向かうがここも浮石が多い。
確実に歩を進め山頂到着。
2年前に穂高を訪れた際は、アルパインの「ア」の字もクライミングの「ク」の字も知らなかった自分が、前穂高北尾根に行けるようになるなんて思いもしなかった。
ということで、これからもクライミング全般頑張っていこうかと思っています。(あ、シャワークライミングを始めるのはもうちょい先かな)
[山行日]2021.08.27(金) – 08.28(土)
[メンバー]koji (L) 、しんご