GW山行 横尾尾根からの槍ヶ岳
GW の雪山山行は当初、槍ヶ岳北鎌尾根を予定していたが、天候のリスクを考慮して横尾尾根に2泊3日で行くことになった。朝の3時にしんごさん宅に集合し、さわんど駐車場まで車で約3時間、その後はタクシーで上高地へ(定額 4600 円)。天気は快晴でメンバー全員気持ちが昂る。
横尾までひたすら平地を歩いたのち、涸沢への登山道を暫く進むと、横尾尾根から出ている沢(第3ガリー)に到着する。ここから横尾尾根に取付く。最初はガレを登っていき、少し進むと雪がガリーを覆っていた。そこでアイゼンを装着し、時折落ちてくる落石に気を付けながらぐんぐんと高度を上げていき、1時間半ほどで横尾尾根の P3~P4 のコルに到着した。
いよいよ横尾尾根を登る。両側が切り立っていて、中々の高度感である。P5 くらいまではハイマツや灌木の藪に覆われているが、あまり濃くはなく手すり代わりに丁度良い。また所々にトラロープや踏み後もあり、源次郎尾根に近いものを感じた。高度を上げるにつれ景色も良くなってきて楽しい。14 時半に森林限界手前に良い幕営個所があったので行動終了。槍ヶ岳や奥穂高岳が見える素晴らしいロケーションで、槍穂高の様々なルートについて話す。このプランで行ってみたいルートを沢山知ってしまった・・。
2日目も快晴。朝の雪が硬いうちに出来るだけ進むべく、5時半に出発。北アルプスの稜線歩きならではの最高の景色を楽しみながら森林限界を超えると、横尾尾根の核心部である天狗岩に着いた。ここはザイルを出して通過(3ピッチ)。ホールドも支点も豊富で快適に登れた。
天狗岩を通過して間もなく横尾のコルに到着し、一般登山道と合流する。そして槍ヶ岳~南岳の稜線まで気合で上がり、横尾尾根を完結させる。横尾尾根は全体を通して細く、アップダウンもあり、適度な緊張感と体力を要するバリエーションルートに相応しい尾根であった。
あとは槍ヶ岳までひたすら歩けば良いのだが、いかんせん天気が良すぎて日差しが強く暑い。そして中岳と大食岳のアップダウンが中々につらく、槍ヶ岳山荘に到着したときは割とへとへとになっていた。とはいえ、せっかくの快晴ということもあり、少し休んだのち空身で槍ヶ岳にアタックした。一部下りルートが凍っていて緊張したが、無事に登頂し皆で喜びを分かち合った。登頂後は山荘でビールを買って乾杯。充実した1日であった。
3日目も快晴で、後ろ髪を引かれつつ槍沢を一気に下って、上高地に下山した。下山後は駐車場目の前にある天然温泉へ。焼岳源泉の熱い風呂で、300 円で入れる素晴らしい温泉であった。そして蕎麦と山賊焼きでお腹を満たして帰京。久しぶりの北アルプスでこれ以上ない天気の中、素晴らしい3日間を過ごすことができた。
[メンバー] UTi (L)、みず、しんご、セレナ
[山行日] 2023.05.02(火) – 2023.05.04(木)