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寒い!暑い!辛い!
-GW みちのくクライミングツアー-

 GW はいつもの上州エリアから足を伸ばして東北各地を巡るクライミングに決定。
メンバーは昨秋比叡山を登った、ねこさん、まりさんといつものウチ2名。
 今回は秋田方面の帰りに、まりさんの実家にも寄れるかなという話もでていたが、当初予定の三崎海岸方面は天気が悪くそれは叶わなかったが、6泊7日で各地のエリアを楽しんだ。

エリア1 山寺の岩場

 最初は芭蕉の句で有名な立石寺近くにある山寺の黒岩。駐車地に到着するとダウンを着込んだ地元の面々がいた。ここいらは山といっても標高 400m 程度の里山に近く、それほど寒いとは思っていなかったが、慌てて車内からダウンジャケットを引っ張り出した。

山寺・黒岩の全景

 ここにはいきなり話しかけてきた「変なガイジン?」さんがいた。地元では有名な人らしくエリアの説明、ルートの紹介、ルート核心部のムーブまで教えてくれる。関東圏から来た他のクライマーもルート情報を尋ねていた。キューバと書かれたジャケットを着ていたのでキューバ国籍なのかと思ったら、どうもアメリカ人らしい。
 黒岩は安山岩でフリクションは良いが、ルートは長い。また体感グレードも関東の岩場より2グレードくらい辛いと感じた。関東近辺では何とか登れそうな 11a もムーブが判らなかったり、持久力が続かず登れないルートが多かった。
 北海道グレードが、2つくらいずれていて有名だが、こちら東北のグレードも明らかに辛い。看板ルートの「茶色の小瓶」(5.11a) にトライするも RP ならず。
 クライマーの絶対数が少なく、登っているのが力量の高いメンバーが残っているからなのか? この日は「道の駅天童温泉」泊。名前から温泉併設の施設かと思ったが、近くに天童温泉街はあるが、宿泊客優先の為か立ち寄りは早めの時間までで入れず。
車で 20 分程の「最上川温泉ゆぴあ」へ。

さざなみルート
奥に見えるのがブラック&ブルー(長い!)

茶色の小瓶
こちらも看板ルート、5.11a
ではあるがオンサイトは厳しい。
30m とやはり長いので持久力も必要。

 翌日も黒岩へ向かったが、猛烈な風が吹きまくっていて寒かった。やはり看板ルートの「壱番」を登るつもりだったが、寒さで3本登ってお帰り。飯豊連峰の梅花皮(かいらぎ)の岩場目指して、「道の駅白い森おぐに」に向かう。

エリア2 梅花皮(かいらぎ)の岩場

 梅花皮の岩場へは道の駅から更に1時間ほど走ると、雪の飯豊連峰が見えてきた。未だ未だ残雪が一杯だ。梅花皮の岩場は飯豊連峰への登山口となる梅花皮荘から歩いて5分裏の川の対岸にある。
 ここは昔国体の山岳競技の舞台となった岩場で、未だ人工壁などはなく、自然の岩場の岩を削ったりしてルートにした所だそう。それを地元のクライマーが最近新たなルートして開拓-再生途上の新エリアだ、勿論 100 岩場にも載っていないし、登る人も少ないため浮き石やホールドも鋭い。GW でも訪れていたのは我々のみだった。岩場下部には未だ雪が残っていて、ルートによっては1ピッチ目は雪の下という所も。

残雪の飯豊連峰

 岩質は花崗閃緑岩で、高さも 30m あり、各ルートの中程がハングになっている。

成年熊男子 (5.11b) ルート
ルート中間部に国体時の青い人工ホールドが埋め
られており、「文化遺産ホールド」になっている

メジロに囲まれて (5.10b)
はシュルンドの中に一旦降りてから登り返し
こちらの岩場もルート中間部にハング
帯があって、一筋縄では登れない。
「リトルアマビエ」(5.11a)も
ハング帯のムーブが厳しく、オンサイトは難しかった。
雪渓から壁に取り付くのでミニ一ノ倉みたい。

 ここは梅花皮荘の飯豊温泉(女子風呂からは岩場が良く見えるそう)に浸かってから「道の駅米沢」を目指した。
 米沢では名物の「米沢牛」なぞ食したいと思っていたが、道の駅のレストランは既にしまっていた。仕方無く 24h 営業のファミマ弁当で夕食(トホホ、その後まりさんが米沢牛の自販機を発見するが、時既に遅し。)翌日福島県飯野町の大日岩を目指す。

エリア3 大日岩

 大日岩は阿武隈川の岩床に囲まれた花崗岩の岩だが、天気が良く標高も低いため今日は鉄板焼きの中にいるようである。ここは 3.11 の東日本大震災で岩場の一部が崩壊し、しばらく登攀禁止になっていたそう。この日も関東圏から来た?ボルダー4人組の他はクライマーの姿は無かった。

5.012 (5.9+)
トポには NP と書かれているが、
しっかりボルトもあり

こちらはクラック NP の蜈蚣の道?
(ムカデと読むらしい)(5.10)

シャンデリア (5.10C)

 強い日射しで、体が暑さに慣れていないこと、山寺での寒さとのギャップ、3つ目のエリアでそれぞれ 100km 超の移動もあり登攀意欲も下降ぎみ。
 とあって、早々に切り上げこの日の温泉を目指した。少し郡山方面へ南下し、「スカイピアあだたら」という山を登った所の温泉に。浴室からは安達太良山が眺められる。この日は高村智恵子の故郷「道の駅安達」へ。
 東北道から磐越自動車道へ、東北中央から太平洋岸へと下って福島県いわき市にある「青葉の岩場」を目指す。いよいよここが今回の最終エリア

エリア4 青葉の岩場

 青葉は海に近く福島でも暖かいエリアとして有名、冬でも関東圏のクライマーも訪れる。高さは無いが、砂岩の前傾ルートが多く、ホールドは甘く厳しい。
 暖かいせいか?虫が多く先着のクライマーは虫除けネット着用、眼の所に集まるので手のワイパーをせわしなく動かすことになる。

バラ色のエアメール(5.11b)
薄カブリの前傾で、持久力必要
岩は砂岩の為、細かい紙やすりを
掴んでいるように擦り切れ、指が痛い。

 青葉はフラガールで有名なハワイアンズがある所で、いわき湯本温泉も近い。
 ここには「千と千尋 」に出て来るような建物の「さはこの湯」があった。料金も 300 円と安く源泉掛け流しの熱い温泉。

江戸の銭湯みたいな建物(改行)
さはこの湯は「三箱」から来ているそうで
「さわこの湯」ではありませんよ、念のため。

 いわき市内にも道の駅はあるが、岩場からは少し遠く 30km 程の「道の駅よつくら港」へ。ここは港湾の町で海産物も豊富。近くの店で特上海鮮丼を食した。(が、普段粗食の為か、翌日お腹を壊す羽目となった・・・)

特上海鮮丼

 みちのくツアーの最終日は、指の皮の痛さにもめげず再び青葉へ。
チョンボ棒と箱(取り付きハングが多い為、パワーの無いクライマーの為にビール箱?の上から離陸する)を駆使して「大酷様」(5.11a)、「シェイクダウン」(5.11b) 等を登って長かったツアーの終了とする。
 寒く、暑く、辛かったみちのくツアーだったが、温泉と地元の食に癒やされた旅だった。お疲れ様!

シェイクダウン

シーラカンス

大酷様

[メンバー] 純(L)、静子、ねこ、まり
[山行日] 2023.04.30(日) – 2023.05.06(土)

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会員は相模原・厚木エリアを中心に、
町田、横浜、大和、座間、海老名、八王子に在住し、
様々な登山ジャンルで活動している地域山岳会です。

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