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ドタバタ女子☆全力投球の北鎌尾根

私は去年は天候不良で断念、2年越しの北鎌尾根。
8月下旬の久しぶりの上高地は、澄み切った空気と涼やかな風が本当に気持ちいい。
テン泊装備 13K の荷物も、着いたばかりは軽く感じる。ここから1日目は北鎌沢出合まで、10 時間の行程をスタート。

水俣乗越まではよく整備された良い道をひたすら登り、そこからは超急なザレを一気に下る。悪場に強い tam ちゃんはこんな時頼もしい。
そして岩ゴロゴロの河原歩きを延々と。
荷物が肩にくい込み、膝が疲れてもう歩きたくねー! と何度か思う頃にやっと今日の幕営地へ。
北鎌沢出合のケルンのところにはテントが張れる砂地がいくつかあった。

しかし数日前の記録で水が出ていた出合は水の気配はなし。15 分程下った水場に行ってみても気配なし。
テントとツェルトを建て、ボトルを持って北鎌沢を登って水が豊富という左俣に行ってみるも、まったく気配なし。
ここで水が取れないと明日の行程を抜けるのは無理=敗退..? ここまで来て?
嫌な気持ちがするけどカラカラの左俣を水を求めて祈るような気持ちで登る。
だいぶ時間が経った。空が暗くなってきて、水音もしないゴロゴロ岩をどこまで登ればあきらめるべき..?
と考えていると、岩が少し黒くなっているところがある。水の跡だ!
さらに進むと、かすかな水音が聞こえてくる。
命の水だーーー !! この時ほど水のありがたみを実感したのは初めて。冷たく美味しい水を思いっきり飲んだ。
Co2100 辺りで3人で合計9キロの水を汲み、遭難が多い「死の道」と呼ばれる左俣をルンルンで下り、右俣との分岐の右側に小さなケルンを建てた。
テント場に戻ってラーメンと鰯の白焼きで晩ごはん。
槍沢ロッジで買ったビールと腸が元気になる寺田本家の酒をいただいて、早々に就寝。

北鎌沢右俣と左俣の分岐

翌日。12 時に目が覚めてしまったが、地図を見返したり荷物を整理したりして3時の出発までゆっくり過ごした。
昨日は大変だったけど、沢を登ったのが夜明け前出の下見になってちょうどよかった。
右俣を登っているとだんだん夜が明けてきて後ろの赤岩岳のラインがはっきりしてくる。

右俣は Co2100 辺りまで涸れ気味だが水場は数か所あった。
大岩が小さくなってきて沢幅が狭まり、ザレのルンゼになってきて佐和ちゃんが怖いと言うので右に見える良さそうな踏み跡に行ってみる。後で左と合流するのかな? と思っていると、だんだん草付きの悪い斜面になった。
左とも合流せず、傾斜が強い為戻ることもできず、草を掴んで上まで抜けるとコルの右上に出た。
ロープを出すか迷ったが、ブッシュをつかみながら降りることが出来た。コルまでは少し踏み跡になっていた。最後は悪い草付きだったので沢登りをやっていてよかったと思うが、間違った踏み跡があるというのを体験した。

虫が飛び交うコルで少し休憩して、独票目指して出発。
尾根沿いの道はしっかり踏み跡がついていて、本当に気持ちの良い道だった。
ブルーベリーや木苺、甘いコケモモや松葉を食べながら天空のお散歩道を楽しむ。

独票近くにはここどうやって進むの ?! と思う所があったが、回り込んでよく見ると右からクライムダウン出来た。
独票を見上げると上の方で「ビレイ解除!」の声。この日他に北鎌尾根にいたのはこのパーティーのみだった。
そして核心と呼ばれる独票基部のトラバース。
過酷なこの先と比べれば、ここはロープもついていて核心でも何でもなかった。コの字も一瞬屈んだのみだったので、もしかして道が変わったのかな..?

大槍までは合計 18 個程あるピークを登り降りするのだが、見事にシャリバテして途中から足が上がらないしフラフラするので無理やり炭水化物を補給する。
ルートは出来るだけ稜線沿い、または千丈沢側を巻いて早めに稜線に戻るよう心がけた。微妙なトラバースや嫌なザレの急傾斜、下が見えない岩場のクライムダウンが怖かった。滑落するのはとても簡単。
北鎌平までが一番長く感じて辛かった。岩は脆く動くものも多く、慎重に確かめながら登ったが、ヒヤリとすること数回。
白ザレのピークは手前から見るととても登れるとは思えなかったが、行ってみると意外に快適に登れた。

北鎌平からは岩が安定して登りやすくなった。
途中雷が聞こえたがその後は静かになり、大分経って最後の山頂までのルートを見極めている時、突然バリバリバリッと佐和ちゃんの左側数mの岩に落雷、落石。幸い皆無事で青空が見えたので上まで急いで抜ける。
ついに山頂へ..! 長かった~

時間が遅れていたので休憩も取らずにそそくさと下山。遅い時間だけど途中何人も登ってくる人がいた。
ヘトヘトで殺生ヒュッテまで着き、二人は小屋、私は多少風避け出来る岩場にツェルトを念入りに補強して張ってやっと人心地がつく。ビールとカレー、パスタを食べてのんびり。雨が降って雷もピカピカしてるので浸水しないで&雷が落ちませんように.. と祈りながら眠る。
今回寝具はシュラフカバーのみだけど夜中寒くて寝られず。少し多すぎた食糧を減らして夏用シュラフを持ってくれば良かったな。
(このテン場は意外に虫が多くて、ツェルトの中は虫だらけ、顔を二箇所ブヨに刺された。ツェルトは密閉しなくては ^ ^; )

翌朝は快晴。テント場からは日の出を見ようとあちこちの斜面をわらわらと登ったり降りたりしてる人たちが見えて微笑ましい ^ ^
槍ヶ岳を見ながらのんびりヨガをして出発。降りるだけなので木苺を食べたり、沢で足を冷やしたりしながらのんきに下っていたら、バスの時間まで急がないといけないと途中で気付き、猛スピードアップ。指くらいの大きさの水膨れが足に出来ていた佐和ちゃんも痛みを我慢して上高地までがんばった。最後は大雨。だけど今回危ないところでは降られず、お天気に恵まれた。

今回は体力や技量不足、ルーファイミスなど反省が多く、佐和ちゃんtam ちゃんもそれぞれ不安は抱えていたが、皆でトレーニングを重ね、皆と一緒だから励まし合って最後までがんばれた。本当に二人に感謝です。
ここが始まりという気持ちで鍛えなおして、また挑戦したいです。

[メンバー] tam(L)、佐和ちゃん(SL)、mimi
[山行日] 2023.08.25(金) – 2023.08.27(日)

written by:mimi
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会員は相模原・厚木エリアを中心に、
町田、横浜、大和、座間、海老名、八王子に在住し、
様々な登山ジャンルで活動している地域山岳会です。

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