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大武川本谷遡行と
初めての甲斐駒ヶ岳山頂

 9月のこの三連休はガンガラシバナ2泊3日の計画をしていたが、中日の天気予報が大雨、予備計画の大武川に変更した。天候に恵まれない休日が多い夏だった。「大武川水晶沢~甲斐駒ヶ岳」はこの8月の3連休に ton さんリーダで計画したが神奈川県南西部地震等で中止変更になっていたが、地形図の水線入れもその時に準備済みであったので山行先の変更に都合が良かった。

9月14日(土)

 道の駅はくしゅうに前泊、テント内は暑く私一人軒下で寝た。夜半に小雨。起きると曇り、雲が低く下りている。篠沢橋への車の移動中には青空が広がり黒戸尾根が見えた。
 大武川林道を黙々と歩き Co970m 堰堤上流に釣り人2名とほぼ同時に入渓、訊くと入渓点付近にて釣りとのこと。挨拶をして遡行を開始。暫くするとスリット堰堤が現れた。スリット堰堤は堆積した岩石で塞がっており右岸から巻いた。ここまで作業道があったようだがはっきり分からなかった。

朴の木橋の上流・入渓・6m滝・スリット堰堤

 河原歩きや、岩床、エメラルド・グリーンの釜などの変化のある「歩き」が続いた。

丸太渡り・キノコ・峡部の釜・大岩

 Co1190m 付近で左岸大岩棚に上がり3回目の休憩、若手のさんは元気にウォーター・スライダーで遊ぶ。その滝を右岸から巻くと美しい青緑の釜が数段現れた。

ウォーター・スライダーした滝・続く釜

 大岩が目立つようになりその先でカラ沢に出合った。カラ沢出合を過ぎ Co1250m の屈曲する所の 4m 滝を右岸から巻き、暫く歩くと釜を持った滝が続く。地形図上の「ヒョングリ滝」のようだが、どの滝もひょんぐっていなかった。水量が少ないからなのか・・・。これらも続けて右岸から巻いた。

ヒョングリ滝??

 本日の幕営地は中栗沢の出合い。ここまで雨に降られなかったが徐々に曇りとなり、山の頂きや稜線は雲に隠れていた。本日の夕餉の担当は私だったが失敗。カレー・ルウの代わりに1人前のレトルト・パックを持ってきていた・・・。Wさんの個食用カレーメシのルウを加えてカレー・スープに変更、なんとか事が納まった。夕餉を終えるころ、雲が流れその合間に摩利支天峰が見えた。本日最後のご褒美! 今年2度目の焚火を囲み静かな時間を過ごした。喧噪を忘れて癒されるので止められない。

幕営地の中栗沢出合から見えた摩利支天峰

9月15日(日)

 夜半に雨。朝食中に小雨がぱらつき、ガスが過ぎ近くまで下りてきた。奥栗沢出合に着くころには周りはガス、小雨もぱらついてきた。甲斐駒ヶ岳での展望も望めないということで、七丈小屋幕営を仙水小屋幕営に変更したが、暫く遡行を続けると流れる雲の合間に摩利支天峰が見えた。

奥栗沢出合を過ぎて見えた摩利支天峰

 摩利支天前沢出合に着くころには再び周りにガスが漂ってきた。本流もガスに覆われている。定石通り摩利支天前沢に入り右岸のガレ場から小沢に入った。摩利支天前沢の奥にはサデの大岩・東壁があるがガスが深くかかっていて何も見えない。いずれ行ってみたい。
 小沢を 200m 程上がり本流に戻ったがまだ周りはガスが漂っていた。摩利支天沢出合を過ぎ頭上を仰ぐと摩利支天の白い頂が流れる雲の間に見えた。

水晶沢から仰ぐ摩利支天

 Co2080m 付近のガレ場から脱渓した。所々藪漕ぎしながら仙水峠に着くころには青空が広がった。天候は良くなったが変更した通りに仙水小屋へ下り、小屋でビールを求め、テン場でまったりと過ごした。

仙水峠からの摩利支天と甲斐駒ヶ岳

9月16日(月)

 夜中に雨がテントに当たる強い音で何度か目が覚めた。朝も雨だったらこのまま伊那にバスで下山して、電車、タクシーで車を回収・・・かな、などと思いながら寝た。暗いうちから登って来る人がいて、朝には雨は上がっていた。

駒津峰から見る北岳、他

 六方石で下山してくる中学生の引率登山団体とすれ違い、はつらつと挨拶された、皆元気だ。六方石から女道を経由し、チェーンスパイクを着けたのでザレた道を多少は楽に登り、初めて甲斐駒ヶ岳に登頂した。山頂には甲斐駒ヶ岳と東駒ヶ岳の新しい標識があり驚いた(後日、Google 検索すると今年の8月28日に設置したとのこと)。
 甲斐駒ヶ岳は、1度目は年末年始山行で黒戸尾根から目指したが八合目から強風のため引き返した。2度目は黄蓮谷アイスクライミングで来たが、疲れと日没が間際のため指呼の間に見えたがピークを踏まずにそのまま黒戸尾根登山道をヘッデンで下りた。いずれも積雪期。無雪期に来たのは初めてだったので新鮮だった。

甲斐駒ヶ岳

 黒戸尾根の下山は長く疲れた。途中の刀利天狗から 30 分程は強い雨に降られ、標高点 1628 から汁垂沢右岸尾根を経由して車に戻ったが、藪もなく赤テープも少しあったので助かった。今回ロープを使ったのはテン場での物干しのためのみで、「歩き」の沢だった。尚、下山後の翌日から数日間は太腿の激痛で階段の昇り降りに難渋した日を過ごした・・・。

[メンバー] しんめい、A(L、非会員)、W(非会員)
[山行日] 2024.09.14(土) – 09.16(月)

[コースタイム]
9/14 篠沢橋P[6:35/7:25]~大武川林道~朴の木橋~Co970m堰堤上入渓[8:27]~赤薙沢出合[8:59]~川滝沢出合[9:55/10:12]~カラ沢出合[11:33]~前栗沢出合[13:32]~中栗沢出合[14:09](泊)
9/15 泊地[7:00]~奥栗沢[7:35/7:43]~摩利支天前沢出合[8:09/8:15]~Co1770m右岸枝沢[8:45/8:57]~Co1950m大武川本流[9:31/9:49]~摩利支天沢出合[10:00]~水晶沢Co2080m付近脱渓[10:30]~仙水峠[11:33/1156]~仙水小屋幕営[12:22](泊)
9/16 泊地[6:00]~仙水峠[6:29/6:39]~駒津峰[8:08/8:22]~甲斐駒ヶ岳[9:57/10:30]~黒戸尾根~七丈小屋[12:00/12:24]~五合目[13:00/13:18]~刀利天狗[13:53/14:00]~Co1600m鞍部[14:51/15:03]~汁垂沢左岸尾根~篠沢橋P[17:15]

written by:しんめい
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会員は相模原・厚木エリアを中心に、
町田、横浜、大和、座間、海老名、八王子に在住し、
様々な登山ジャンルで活動している地域山岳会です。

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