秋セルフレスキュー講習
今日は純さんに講師をやっていただくセルフレスキューの日ですが、生憎の雨予報。そのため講習場所は広沢寺からレッジに変更となった。レッジがオープンする 10 時に合わせて向かうも店前裏の駐車スペースはいっぱい。。。仕方がないので、グーグル先生に近隣のコインパーキングをナビしてもらい一番近いところに向かうも月極に変わっていた…。次に近いところを向かうと1台分のみ空いていたので、駐車したが1日 600 円。この辺では安いのか高いのかわからない。そんなこんなで 30 分遅刻してしまった。

今回教わった内容を備忘録的に記す。
「懸垂下降から登り返しへの移行」
仮固定 → マッシャー作成 → PAS及び足用スリングをセット → マッシャーへ荷重 → 仮固定解除 → 登り返し(ビレイデバイスのロープは引き上げる)
※この際の注意点として、立ち上がる際はマッシャーを掴まない、ビレイデバイス側のロープは離さないなどがあった。ブレーキシステム付きのビレイデバイスは手を離すことが出来るため少し楽。

「トップの救助(リードクライマーが行動不能でロアダウンさせられない場合)」
仮固定 → 要救助者側のロープで登り返し(登り返し参照) → 要救助者をキャッチ(ハーネス同士をヌンチャクで繋ぐ) → バックアップ付き介助懸垂にて下降
※この際の注意点としては、支点から地上までロープ半分の長さに限られること。
「フォローの救助(セカンドクライマーが行動不能)」
要救側のロープへマッシャー作成 → 要救の荷重を支点へ移す → ビレイ解除 → 要救側のロープを支点のカラビナにクリップ → そのロープへ自分用のマッシャーを作成 → バックアップ付懸垂下降状態にする → 自重を利用し要救側のマッシャーを緩めて解除 → 懸垂下降 → 要救助者をキャッチ → バックアップ付介助懸垂
「ロープの連結」
上記の救助は基本的に荷重されているロープのみ使用し下降するため、ロープ半分しか下ることができないため、要救及び救助者を繋いでいるもう1本のロープを解除、連結、延長させて下降する。
荷重をマッシャーへ移す → もう1本のロープと懸垂下降に使用しているロープ末端同士を連結 → 連結した結びの下側でビレイデバイスセットし直す → マッシャーを緩めビレイデバイスに荷重 → 仮固定 → 結びの下側でマッシャーをセットし直す → 下降再開
文字に起こすとこんな感じ(間違えていたらゴメンなさい)だが、読んだだけでは恐らく何もわからないと思う。
今回の講習で筆者的に新たに学んだのは、最後に記したロープ連結部のクリアでした。
今までは要救までのアクセス → 要救キャッチ → 介助懸垂への移行、その後は何の問題もなく着地する流れでしたが、ロープ連結による延長方法、そのクリアの仕方までは初めて学んだし、考えもしなかった。
実際に事故が発生した場合、今までに学んだ技術を駆使して問題解決をすることになると思うが、まだまだ知識不足だと思い知ったし、セルフレスキューの基本動作のみしか知らなかったことに気付かされた。
事故が起きないことが全てではあるが、事故は起きる。
私も今年1月に重大事故(足首骨折)を発生させたばかりで未だリハビリ中だ。それでもフリーを出来るくらいまでは回復した。事故の際、セルフレスキューで学んだ技術を使うことはなかったが、取り付きまで戻るためにどうすれば良いか頭をフル回転させたことを覚えている。(この時のことを振り返れば反省点は多数ある…)
事故はいつ、どんな状況で、何が起こるかわからない。そのためにも今後もいろいろと学び知識の引出しは広く深くしていきたい。
当会では、今回のようなセルフレスキュー講習に仕事や都合により参加できない会員も多数いるため年2回開催しています。受講後は各自復習をしてもらい、その技術を習得してもらうことを前提としていますが、意外とやらないんですよね。復習の機会も設けたほうが良いですかね。。。
【講師コメント】
*雨予報のため、レッジで実施した。実際に雨でレッジも混んでいたが、奥の段差壁を利用して何とか実施できた。
1.登り返し
全国連盟若手講習会で教えている方法で実施した。今のところこの方法が最も簡便で確実だと思う。他にもっと簡便かつ確実な方法があれば採用したい。但しこの方法も登り返しの距離が長い、傾斜がきつい場合は下もマッシャーで取った方が良い。
2.フォローの救助→介助懸垂
いつもの手順で実施したが、今回はダブルロープで行った。これはロープの1本を引き抜いて連結することを想定したやり方。
3.リードの救助→カウンターユマーリング→介助懸垂
これもダブルロープで行い、要救助者からロープを引き抜き懸垂距離を伸ばすことを想定。ロープが半分以上出ている場合も有効と思われるが連結し、なおかつ連結部分を通過するにはかなりの練習と習熟をしないと実際の現場で行うことは難しいと思う。
*他にも考えていた訓練もあったが、ここまでで予定の時間になってしまい終了。
*実際のクライミングではリード、フォローのどちらの立場にもなりうるので、両方を確実に救助できる技術は必須と考えます。
【参加者コメント】
「あいにくの天気でジムの訓練になりましたが、思ったより順調に講習ができました。この後は自分も岩場で復習をすることが大事だと思います。 やはりセルフレスキューも体力と筋力と応用力が必要で、だからこそ何かあった時この人なら信頼できる、この人なら仕方ないと思える人とマルチに行くことが重要だと考えます。」
「日頃岩には行っていないので、実際の動作がわからない所もありましたが、登り返し等は実際にやってみると、力、タイミング、巻、捌き等細かな注意点を実感できて良かったです。」
「今日のレスキュートレにおいて初めてロープの連結部を超える(クリアする)方法を学びました。 ビレイデバイスまたはフリクションノットを連結部の上下に付ける方法でしたが、介助懸垂(2人分加重)状態で行うにはしっかりできるようにならないと難しく、今後のレスキュートレに加えてもらいたいと思いました。」
「今回ダブルロープでのトレーニングがとても良かったです。フォローレスキュー時ダブルだと、一瞬混乱してしまいました。シングルではなく、ダブルでやっておくといいと思いました。」
「初めてのこと(ケース)が多く、手順をしっかり理解していなかった為、戸惑いがありました。実際の事故時に初めてそのケースで遭遇した際に対処できるかといえば、とっさに行動(手順)判断はできなかったと思います。」
「登り返しについては、以前習って実践した方法と異なっていて、今日の方法は空中では難しくうまく登れなかった、ケースに応じて使い分けしないと登れないと思った。 実際に事故に遭遇すると動揺している状況だと思うため、その時でも対応できるように練習して悩まずできるようになる必要があると思った。」
[メンバー] 純、和寿、tam、しんめい、ねこ、しんご、ちい、かつのり、ジェリー
[実施日] 2025.11.09(日)