上高地・中千丈沢アイスクライミング
上高地の手前、大正池に注ぐ中千丈沢アイスに行って来た。沢渡に駐車し、予約したタクシーで釜トンネルに向かう。
未だ若かった頃、正月の前穂北尾根を登りにこの道を歩いた事を思い出す、沢渡から長かったナー。その頃は未だ安房トンネルなど無く、ここを通る車は坂巻温泉までしか無かったのだ。釜トンネルの中の道は所々凍っていてヘッ電無しで歩いていると、滑って転んだりした。今でも真っ暗な所もあるが、道は凍ってないどころか、時折車両も走ってきた。
釜トンからは一時間半ほどだが、暗いトンネルの中の上り坂でチョット辛かった。
大正池に着くとホテル裏手には、テントが3張りあり既に登りに行っているようだった。
中千丈沢の出合へはここから10分程の橋から入る。すると橋のたもとにも多くのテントが張られていた。ねこさん知り合いのSアッセントの連中だった。
橋からは急な登りを一時間、Sの後を追っていくとトポでみた「Z」を迎える。
Z字のど真ん中を2ピッチで登る看板ルートだが、残念ながら下と中間が繋がっていない。今シーズンはもう終わりなのか?
続いて現れた氷がやはり看板ルート「一角獣」の取り付きらしいが、Sパーティが取り付き順番待ちをしていると声を掛けられた、こちらは神奈川GのYさん。
既に上の「ジョーズ」を登って降りてきたというので、先にジョーズを登りに行く。
ところが、ジョーズの左側氷柱には既に横の亀裂が入っており登れないという。結局右を登るべくここでも順番待ち。ジョーズの牙のように鋭いツララが口を開けているルートだ。
本日はこれ1本で終わり。ホテル裏にテントを張ってケンタさん準備の鍋料理で寛いだ。
翌日も晴天で今日は3ピッチの一角獣に取り付く。
ねこさんリードで1ピッチ目、2ピッチ目はコンテで簡単な氷をそれぞれ登る。
3ピッチ目がこのルートの核心で、一角獣という名にふさわしい垂直の角が天から垂れているようだ。
ビレイは滝の左側にある、切られた灌木にセルフを取って確保。 Sパーティは果敢に滝の真ん中まで出てから垂直部分を登って行った。
我々は左側の少し傾斜の落ちた箇所からスタート、しかしここは暖かいせいか水の浸み出しが凄く、トラバースではずぶ濡れになる。後はアックステンションでスクリューを入れながら垂直部を登る。
各自 TR でそれぞれ3ピッチ目を登って楽しんだ。看板ルートを登れて一安心しているともうお昼近く。急いで中千丈沢を下りテントを撤収。
帰りの釜トンは暗いながらも、下りで楽々。余裕でタクシー予約時間に間に合い帰途についた。同日登っていたパーティのネット投稿を見たら Zだけではなく、やはり看板ルートのサイドワインダーもダメだったようだ。
[メンバー] ケンタ(L)、純、ねこ
[山行日] 2021.03.06(土) – 03.07(日)