唐沢岳幕岩(畠山ルート、大凹角ルート)
甲斐駒ヶ岳赤石沢赤蜘蛛ルートに一緒に行った UTi さんから唐幕に行かないか?と声を掛けられた。
唐沢岳幕岩、初めて聞いた。
ほかにも屏風岩雲稜ルートも行きたいと話しておりそちらは知っていたが、唐幕は初めてだった。どんなところなのか楽しみで現地へ向かった。
2023.6.3(初日)
07:00 発
11:50 七倉山荘着
12:05 高瀬ダム下(タクシーにて)
12:20 入渓(アプローチスタート)
12:45 堰堤(アルミ梯子)
13:05 金時の滝(左ガリー100m、下山時懸垂×2)
13:30 ガリー終了
13:35 休憩(右岸ガレ場、その先には左岸ガレ場、下山時右岸高巻きせず沢から左岸ガレ場目指す)
14:30 鷲の滝(右岸を行く(その右にあるガレルンゼは上がらない)
15:00 大町の宿
台風の影響で2日夜出発だったのを遅らせて3日の朝に出発。
七倉山荘前からタクシーに乗り込み高瀬ダム下へと向かい、タクシー(1740円)を降りて辺りを見ると遠くに大岩壁が見えた。幕岩の上部岩壁だ。
アプローチはダム左下から沢を渡渉するところから始まる。
比較的新しいピンクリボンが付けられており、明瞭ではないものの踏み跡らしきものもあった。(分かりづらいところもそれなりにあり数回迷った。)
また、渡渉点の両岸にもリボンが付けられていた。
大町の宿は屋根の代わりの張り出した岩と脇には水場もあり持参したワインやコーラを冷やすことができ快適そのものだった。
2023.6.4(二日目)
畠山ルート
03:00 起床
04:00 宿発
04:40 1P目:しんご
Ⅲ級程度の優しいピッチ。ただしハーケン、ボルト類少なめ。
2P目
05:15 2P目:UTi
このピッチもⅢ級程度だが、一部 A1。
メガネハング 3P目
05:50 3P目:しんご
Ⅳ級 A2。メガネハング左下からスタート。リングボルトに導かれるように進めば問題なく行ける。ただ不安なためまめにヌンチャクを使用していったら、ハング手前で残り2つ。
しょうがなく回収のために 15m 程下ろしてもらい4つ回収。
その回収時、右上のリングボルトと左上にカム (0.75) をセットして、加重した瞬間 40cm 角の岩が剥がれ落ちた。剥がれた岩が自分の真上だったらと思うとゾッとする。
ハング越え後、ダミーの終了点?と思わしき箇所があるが、さらにその 3m 上にしっかりとした終了点があった。
07:50 4P目:UTi
すべり台テラスが終了点。その手前にも終了点と思わしきで箇所(懸垂下降点)がありそこで切ったが、滑り台テラスまで行った方が良い。
08:40 5P目:しんご
トポ上 4P 目の途中からすべり台テラスまで。
6ピッチ目からの眺め
09:00 6P目:UTi
09:40 7P目:しんご
8P目
10:40 8P目:UTi
スラブ。トポにはノーピンとあるがリングボルト1つあり。ラスト 15m 程はノーピン且つ結構イヤらしいピッチなので要注意
終了点見当たらず、立ち木にてビレイ。
9P目:しんご
草付きから右上するがノーピンと苔で行ける気がしない。諦めて戻りビレイ点左の岩へ上がると苔に隠れたリングボルト。左上が正しいルートと思われるためブッシュを 10m 程進むとクラックがあるが草苔とに覆われており、ここもまたノーピン。もし上がれたとしてもその後が心配で諦めた。相方も左右ともに確認したが左が正規ルートだろうと判断。だが、登るには困難と判断し撤退を決めた。
12:40 懸垂下降開始
懸垂時の注意点はすべり台テラス先にある懸垂点へアプローチ。左へ降りず真っ直ぐ降りると登り返しを余儀なくされる。メガネハングは空中懸垂。
14:30 懸垂下降終了
15:30 宿着
2023.6.5(三日目)
大凹角ルート及び下山
04:30 起床
05:30 宿発
06:00 右稜のコル(と思われるところからさらにダイクを 5m 右上してから左へトラバース)
取付き
06:10 取付き
06:30 1P目:しんご
凹角から A1。
07:15 2P目:UTi
洞穴テラスまで。
3P目
07:45 3P目:しんご
洞穴テラス左から2ピン程上がってから右へ、ここもまた濡れた苔。上がると懸垂点があり、そこから右上していくがピンが見つからない。ホールドはほぼ苔や草で隠れており剥がしながら進む。足はほぼクラックから生えてきている草が幾層にもなっているところを確かめながら上がっていった。この右上はノーピンで約 20m あったがカムをセットするようなクラックもなかったため、ハーケンとハンマーが必要だったと反省。
09:00 撤退判断、懸垂開始
フォローにも 3P 終了点まで上がってきてもらい、二人で 4P 目を覗いてみたがルートが不明。終了点から 10m 左にハンガーボルトがあったが、そこまで移動できそうもない。また、3P 右上時にそのボルト目指し登れたかというとそこも疑問が残る形になってしまい、最終的には撤退を決めた。
10:00 取付き着
10:30 宿着
12:30 金時の滝横のガレ場懸垂下降
14:15 ダム下
15:20 駐車場着
ネットで唐幕の情報を探したところ、行く人が少なく情報も少なかった。また行ったとしても情報をアップしない人もいるだろうし、フリー全盛の現在、エイドルートにチャレンジするクライマーが少ないというのもが大きな要因だと思う。
ただ、情報が少ないからこそ楽しめるのかもしれないし、それが唐幕なのだとも思う。
それにしても、当時の開拓者は「凄い!」の一言に尽きる。
[メンバー] UTi(L)、しんご
[山行日] 2023.06.03(土) – 2023.06.05(月)