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入会について

南会津・阿賀野川水系阿賀野川鶴沼川二俣川左俣

  出発当日の数日前より関東周辺では線状降水帯が発生していた。行く先は南会津。それなりに雨雲はかかっていた為、果たして渓中泊予定は可能なのかどうかと名目上リーダーだったが、それなりに気をもませていた。ガイド本にも載っていない沢だし、ネット情報を山行にするしかなく…。すると、サブリーダ(実質リーダー?)ガッツさんから強力なアシストがあり、雨の弱まる昼頃出発し、入渓点付近の御鍋神社で幕営若しくは道の駅泊で、翌日沢山行。との決断となった。

 小白森登山口駐車場に 15:30 頃到着した。御鍋神社までの林道脇に幕営できそうな場所はないか選びながら、さらに車で林道を走った。16:00 前に入渓点付近の林道に到着。御鍋遊歩道周辺を散策し、入渓点確認と幕営地の選定をした。御鍋神社そばの沢、Co950 の右俣へ降りてみると増水はしていなかった。湿気と薄暗さで少々陰気な雰囲気があったが、そこで幕営することにした。17:00 頃から幕営準備を始めた。太い薪は濡れているにも関わらず、着火剤もいらず、根性もいらずスムーズに焚火が起こせた。しかも、風も止んでタープで寝るのによい環境になった。夕飯は個食としたが、皆が持ち寄ったものでおなか一杯になった。散策中に採取した笹の新芽をガッツさんが天ぷらにしてくれて、皆で食べた。筍のような触感で美味しかったが、5割の確率で固いスジがあり、ロシアンルーレット状態だった。川のせせらぎと焚火のお陰で当初感じた陰気さは忘却の彼方となり、1/f ゆらぎ効果のせいか、眠くなりタープへ滑りこんだ。




 5:00、川のせせらぎとイビキで目が覚める。隣のしんめいさんは気持ちよさそうである。食担ガッツさんがすでに焚火を起こしていた。次いでmimiさんも起床した。川のせせらぎ音が近すぎて流されそうで怖かったと話す。確かに、この環境は普通じゃない。増水したら流される。1/f ゆらぎなどと甘美な雰囲気から一気に現実に引き戻された。昨晩の天ぷらの残りとラーメンで朝食をとり、日帰り沢の荷物以外は車にデポして、7:25 に Co950 左俣より遡行を開始した。
 始めに幅広のナメ小滝が3つ連続した。とてもきれいな滝で幸先良い。しかし、その後は暫く倒木の多いゴーロとなり少々退屈する。Co1020 で左俣へ行く。小滝が連続する。5m 滝の水線は階段状に見えるが確実にずぶぬれになるため、左から巻く。Co1140 の三俣では一番奥の右俣へ進む。するとナメの連続になった。ナメ好きの私は思わず寝そべった。これって、スーパー銭湯にある寝湯ってやつに似ている。その後 5m ナメ滝は、皆で水線の両側から登った。フェルトソールでばっちり滑らなかった。Co1300 以降は左俣を選んで進んでいった。Co1400 くらいで水は枯れ、笹の藪漕ぎになった。そこまで密な藪ではなく、沢形は残っていた。11:30 に登山道に出た。斜面からひょっこりと本日初めての登山者に出会う。私たちを熊かと思ったと言っていた。本当に静かな山である。



 まだ時間があるため、食料と水以外を登山道にデポして大白森山へピストンで行くことにした。往復1時間を要したが、頂上からの眺望はよく猪苗代湖が見えた。風も爽やかだった。途中、ガッツさんがコシアブラを見つけていた。コシアブラは山菜の中では高級品で、どこかの道の駅くらいしか売っていない。ぜひ下山中にまた見つけたい。デポした荷物を回収し、下山を開始した。泥で滑りやすい下り坂。笹をつかみながら慎重に。小白森山への登り返しに息が上がる。すると、「あった!」と叫ぶ声が聞こえた。振り返るとガッツさんが再びコシアブラを見つけていた。今度は木2本分。ほんの少し新芽を取らせてもらった。ここでは6月でもまだ春は残っていた。
 14:56 頃に小白森登山口へ無事下山した。車を停めた場所に行くためには、戻らなければならず、荷物をおろしてガッツさんが代表で車を取りに行ってくれた。感謝∞。その後、下山口からすぐ傍にある二岐温泉に行った。熱くてまた汗をかいた。
 最近私はクライミングすることが多くなっており、山岳会の特性上、岩壁や氷壁を登り制覇することがもてはやされる傾向にあるが、山の楽しみはもっとたくさんあることを再確認した。自然にどっぷり浸かるのもよいなと思った。

[メンバー] Sanae(L)、ガッツ(SL)、mimi、しんめい
[山行日] 2023.06.03(土) – 2023.06.04(日)

written by:Sanae
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会員は相模原・厚木エリアを中心に、
町田、横浜、大和、座間、海老名、八王子に在住し、
様々な登山ジャンルで活動している地域山岳会です。

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