How to Join
入会について

(No.37) 西丹沢 雨棚

2022年2月、とても寒い日が続いたので山の大先輩と地獄棚の凍結具合を見に行った。
昔は地獄棚が完全凍結してアイスクライミングが出来たそうだ。
手前の沖箱根沢のベルグラで少しアイスクライミングを楽しんでから地獄棚へ。こちらもベルグラだが、8割凍結している。
更に奥の雨棚を見に進むと、前衛の滝の釜の中に人を発見してしまったので、ここまで。

数日後、雪が降ったので雨棚を見てみたくてまた大先輩と行く。
尾根に囲まれた円筒の中にトイで水を注いでいる。
そこに陽があたりとてもキレイである。
ここは断層が通っており、雨棚は雲母が約 70 %も含まれているトーナル岩の中でもとても硬い岩盤だ。
硬いので脆く、脆い部分は崩れ落ちてこの様になったのだろう。
暖かくなったら登ろうと約束をしたが、大先輩はその年亡くなってしまった・・・。

同じ2月に相模アルパインクラブの門を叩いた。
入会すると創立 50 周年で、記念ルートの中に雨棚が入っているではないか!
是非登ってみたいという気持ちが強く、この雨棚を選んだしんめいさんにお願いした。
2023年4月にしんめいさん、UTi さん、mimi さんとトライ!
事前にイロイロ調べたが、あまり人が入らないようで記録は少なく、記録に有るルートには土が溜まり、草が茂っている。
UTi さんのリードで 1/3 くらいの大岩ハングまで行ったが、そこから先がわからない。
皆でそこまで登ったが時間切れ。

昨年11月の雨棚

2023年11月、雨棚が崩れて登れないとの情報が有ったので調査も兼ねてしんめいさんと整備をする道具を持って行ってみる。
雨棚は変わりないが、西側の岩壁の上に積もっている土砂や木が崩れ落ち、下を塞いでいる。
前回の大岩ハングまで登り、整備しながら上のテラスまで登りピッチを切る。
そこから西側に現れた新しい岩壁にトラバースしようとしたところ、土を掘り起こして出て来た岩に足を乗せたが、岩が落ちてテンション。
いい時間になったのでここまでとした。

今回は落ち口の上からアプローチし、ルートをチェックする。

懸垂下降

過去のログを調べて一般的なルートのボルトラダーと1段下のテラスまでの間の凹角に溜まった土や草を大量に落として掃除すると、手も足も有るし昔のハーケンやボルトがいくつも出て来る。
なるほど、これなら登れる。
その下もチェックすると、下から 2/3 までは3ルート有るようだ。
今回は少し水が多いので、水線から離れている2回目の到達点から先ほどの凹角へトラバースするルートを整備する事にした。

清掃中

安全の為ボルトを2本入れる。
このルートなら水が多い日も登攀可能だ。
そして、懸垂下降して改めて下から全部登る。
大量の土を落としたので、下の方は特に土っぽくて結構気を使う。
途中の大岩ハングでアブミの最上段を使い超える。

ボルトラダー

今回整備したルートで左にトラバースし、土を落とした凹角を上り詰め、落ち口手前からボルトラダーで抜けた。

1本橋

その後はきれいで明るい滑滝が続き、1本橋を渡り、詰めは無く登山道に合流できる。

50 周年記念 50 ルートの一つであり、思い出深い滝なので感無量であった。

雨棚西面壁はまだ土っぽくて恐らく未踏なので、次回の楽しみに残しておこう。
駐車場に戻って UTi さんとノンアルコールビールで乾杯して締めくくった。

乾杯

少し前に下山した若い2人パーティーに声をかけられ、雨棚登ったと話したら、彼らの目標は雨棚だと目を輝かせて話していた。
沢登りだが良く考えると、マスキ嵐沢出会いで登山道から離れ何度か細い沢を徒渉しながら登り詰めるが、実は失敗しなければ一度も水に入る事無く雨棚を詰める事が出来そうだ。

[メンバー] もん(L)、UTi
[山行日] 2024.04.14(日)

written by:もん
月を選択

会員は相模原・厚木エリアを中心に、
町田、横浜、大和、座間、海老名、八王子に在住し、
様々な登山ジャンルで活動している地域山岳会です。

ページのトップへ戻る