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穂高 滝谷ドーム中央稜

かつて“鳥も通わぬ”と形容される程荒々しく険しい岩場、滝谷…と本には書かれている。
果たして鳥は通わないのか?

いえ、実際はいましたw

ドーム中央稜取付き近くで岩に止っている鳥を発見。
ただ、滝谷は荒々しく険しいのは勿論本当でした。ガレガレで岩の墓場と言われるのも頷けます。

初日、涸沢まで向かう途中、本沢橋で休憩していると岩の影から小動物がチョロチョロ。
自分の左足の甲の上をササッと触られた感触が残る。オコジョでした。

オコジョ(たけさん撮影)

滝谷のドーム中央稜、クラック尾根を連日登る計画でしたが、登攀初日は、前夜雨が降り稜線にガスが掛かっていたため、この日は北穂東稜を登る計画に変更。
たけさんが予めルートを調べてくれていました。さすがリーダー。
ゴジラの背を登って北穂高小屋に到着。

北穂東稜

北穂東稜全景

その足で稜線を歩き、翌日向かうことにしたドーム中央稜の偵察に向かいました。
滝谷側はガスがかかり、登攀できるような状況ではありませんでしたが、
ガスが一瞬晴れてドーム中央稜を見た際は、ちょっと感動。

翌日は早朝から快晴。縦走路のドームから奥穂方面に下って最初のコルから右側に縦走路を外れて踏み跡を辿ります。ガレているため落石に注意し、落石を発生させないよう注意して下りました。
Ⅲ級程度の岩場をクライムダウンした後、槍ヶ岳と大キレットを横目に懸垂下降を1回。

槍ヶ岳と大キレット

左上して回り込むとドーム中央稜の取付きに到着。

ドーム中央稜取付き

取付きは沢山のパーティーで賑わっており、日陰で寒い中暫く待つことに。
滝谷第4尾根の取付きに下降する岩場で事故があり、ヘリでの救助を見ました。
登る前にビビリが入る。

〇1ピッチ目(ふくいち)凹角からチムニー
後半、チムニーか左のフェースに行くか迷い、セカンド含めたロープの流れを考えフェースから登った。
チムニーはザックがあると難儀で、大柄な男性では狭い。
フェースは結構悪く濡れていたため、止むを得ず残置スリングを掴む。

1ピッチ目

〇2ピッチ目(たけ)リッジからカンテ、急なスラブ
後半のスラブは、登りがいがあった。
たけさん、ここで体力を消耗し、この後のピッチのリードを譲って貰った。

〇3ピッチ目(ふくいち)巨岩のリッジ ほぼ歩き

3ピッチ目

〇4ピッチ目(ふくいち)凹角からチムニー
どこに支点を取るか、どうルートを取るか慎重に考えながら登った。
最後のチョックストーンが薄被りであったが、無事に突破。

4ピッチ目

〇5ピッチ目(ふくいち)凹角を登りハングを右から越える
最後のハングをトポ通り右から越えたが、最終終了点のボルトの位置が遠く、ピナクルで支点を取った。ここはハングを左側から越えた方がいいのかもしれない。

登攀終了した時は、安堵感に浸りました。
想定していたよりもドーム中央稜の岩は硬く、幸運にも登攀中に落石にはあいませんでした。 それでも岩がグラつく箇所がいくつかありましたが。

アルパインルートに行くと、取付きに行くまでが大変。
登攀後無事に帰ってくるのは、もっと大変だということを、毎回思い知らされます。

穂高の絶景を堪能し、滝谷を1本登れたことはいい経験になりました。

[メンバー] たけ(L)、ふくいち
[山行日] 2023.09.15(金) – 09.18(月)

written by:ふくいち
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会員は相模原・厚木エリアを中心に、
町田、横浜、大和、座間、海老名、八王子に在住し、
様々な登山ジャンルで活動している地域山岳会です。

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