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【こだま】2022年 1月


もくじ
・こだま寄稿
    山人生のはじまり
・1月の例会
・新規掲載の山行ブログ


【こだま寄稿】山人生のはじまり 
 寄稿:ねこ
 2022.1.31

 2013~2014年、初めは高尾山だった。そのうち“日帰り登山”の本を買って、丹沢や奥多摩、奥武蔵、箱根を一人で歩いた。綿のTシャツで登山靴もレインウエアもヘッデンも昭文社の地図もコンパスも無しだった。塔ノ岳でユーシンに下りそうになって戻ったり、丹沢三峰に行く途中、ヒルに追われて走って岩で滑って落ちそうになった。冬になったら、軽アイゼンが何だかわからず、登れなくなった。そんな時、知人から山岳会(G山の会)を勧められた。2015年1月G山の会に入会して、クライミングジムにお勤めだった先輩などにフリークライミングを教えてもらい、一式揃えて外岩に連れて行ってもらって、岩の魅力に取りつかれた。雪山は、2月に雪訓してから残雪期にはテント泊で唐松岳に登った。雪の歩行はメチャクチャだったし、ザックの詰め方も背負い方もわかっていなかったので、結構バテバテだった。 また、沢に連れて行ってくれる方が複数いて、初めてマスキ嵐に行ったときはおとぎの国のようで、ディズニーランドよりずっと楽しかった。そして初年度から赤木沢のメンバーに入れてもらって日本では無いような風景に夢中になった。 岩は湯河原幕岩に何回か連れて行ってもらったが、夏前になると高山のマルチに行く準備で初心者の私は取り残されてしまった。そこで、G山の会の前会長に相談するとアルパインの大先輩に相談しろと言われた。(縦走は後でもいいから、あなたはとにかく岩や沢をやれとも) 勇気を出して大先輩にメールすると、マルチをやるならパートナーを探さなければいけないとのことだったが、適当な人がいなかったので無理やり弟子入りさせてもらった。そしてその年の秋ごろから、来年そうそうマルチができるようにトレーニングが始まった。モミソ岩でのビバーグの仕方や広沢寺でのロープワーク、湯河原幕岩ではひたすらリードさせられた。マルチではとにかくスピードがいる、ルーファイの判断を早くしろ、システムの構築を早く、フォローなら登り方なんてどうでもいいからとにかく早く上がってこいと厳しく教えられた。そして3か月後城山の西南カンテでマルチデビュー。ほとんどのピッチをリードした。でも、そのせいか連れていってもらうのではない姿勢が今に生きている。 テント泊の無雪期登山も何回かしたが、シルバーウイークの裏銀座であまりの人の多さにこれは無理だと思い人気ルートはあきらめた。 2年目の冬は谷川西黒尾根や八ヶ岳(天狗岳、赤岳、阿弥陀岳)へ行き、裏三つ峠でアイスクライミングも体験させてもらった。 春からはマルチルートやバリエーションルートにたくさん行った。妙義のバリエーションルートの相馬岳北稜に行ったときは、あまりの怖さにカルチャーショックを受けた。今まで行っていた丹沢のバリエーションとは比べ物にならなかった。

 でも、その年の8月、初級のアルパインルートと言われる北ア・明神岳主稜の5峰で自然落石に遭い、左人差し指の開放骨折と中指の骨折をしてしまった。平たい60㎝ほどの岩が上の草付きから音もなく滑ってきて、岩に取付いていた私の指にあたった。岩とともに落っこちて、自分の指を触るとブラブラで90度に曲がるし、血はどんどん出てくるし、始めたばかりのクライミングももう終わりかなと悲しくなってしまった。でもその時、指が1本くらいなくてもクライミングできるよと言われて元気になり、自分で三角巾を出し、中指と人差し指を一緒に巻いてもらった。心臓より下に下げると血が出てきてしまうが、上げていれば何とかなりそうだった。 リーダーからヘリか自力下山の二択を迫られたが、コンテと懸垂で降ろしてもらえるということで、急登を滑らないように右手と左肘で、懸垂はセットしてもらって上高地まで降りてきた。そして上高地の診療所で紹介状をもらい、波田市民病院ですぐ手術して、人差し指を洗浄後、ピンを入れてもらった。

 会に連絡して当時のアルパイン部長に「リハビリがんばりまーす!」と能天気に電話で話したが、結局その後、手の外科(手専門の整形外科)であと2回期間を開けて癒着した腱をはがす手術をし、その間リハビリも通って1年間クライミングは思うようにできなかった。そうは言っても、最初の手術の傷が塞がった時から我慢できずにピンが入ったまま、片手が使えなかったが結ばなくても履ける登山靴を買い(新しい登山靴は合わなくてそっちの方が痛くて大変だった)、涸沢でテント泊して北穂から奥穂までくるっと回ったり、ピンを抜いてからも手術と手術の間で傷が塞がっている時は、指が不自由でも簡単なマルチやバリエーションはやらせてもらった。(指は今も完全には曲がらないがアックス持つのに支障がないくらいにはなった。また左手の人差し指だったのが幸いしてクライミングにも関係がないようだ。) 明神岳主稜、落石に当たって撤退した2年後にリベンジしました!

 その後は、初級のアルパインクライミングを中心に、そのための沢やフリークライミング、テントを担いで深南部や南アルプス、北アルプスを歩き、妙義などのバリエーションに行き、雪山も少しづつステップアップしていって、初級のバリルートも行けるようになってきた(でもラッセルは全然ダメだし、雪と氷はほんとに怖い)。アイスクライミングも始めた。 その頃から外部のガイドにもお世話になった。佐久のA氏にはアイスの他、アルパインの考え方、レスキュー、岩、冬壁でお世話になっている。 また沢には進まなかったがGガイドにもお世話になり沢の技術を学んだ。 フリークライミングはいつまでも苦手で、やらなきゃいけないとは思っていてもインドア練習は大嫌いだった。でもKガイドに教わる機会がたまたまでき、全くフリーの自信がなく悩んでいた私に「バランスはとれている。登り方はおかしくない。」と言ってもらって本当に嬉しく、その一言で救われた。(後に外岩で講習してもらったときには、「フリーの人は皆5.12を登ろうと岩場にいっている。アルパインと言って逃げているからダメなんだ。毎日クライミングしろ」と人生にダメ出しされたが、ちょっと無理なので5.11を目指すことにしてなるべくクライミングしようと思った。) またレッジに通い出してからはレッジの方々からも教えてもらいインドアも徐々に登れるようになってきた。 いつも実力ぎりぎりのルートをリードするので、クライミング技術の向上は必須で、その他にも悪路の歩き方や、怖くて仕方ないので精神力をあげるのにどうしたらいいか悩んだり、ハーケン・カムの練習、ルートの前の記録を調べ出し、天気を考え、何よりパートナーに何かあった時一人でレスキューしなくてはいけないのが恐怖でセルフレスキューの講習も受けた。 痛い思いをしないと分からないので、やりすぎて故障したり、突っ込んで捻挫したりしたが、小さな失敗を繰り返しながら、怖がりなので慎重に、行くメンバーもルートも選びながら生き残ってきたと思う。

 2020年、大先輩に、年齢的にもう次のパートナー(いつの間にか弟子からパートナーに格上げになっていた)を探せと言われ、本当に困ってしまった。G山の会には平日休みで志向のあった人がいなかったし入ってきそうにもなかったので、他の会を探すしかなかった。知らない人と話すのも超苦手なのに、新しい会を探すのは難しく先延ばしにしていたが、このままではアルパインクライミングできなくなりそうなので(それでもいいかと一時は思ったが)、しんめい会長のつてを頼って、4月に相模アルパインの門をたたいた。一人じゃ不安なので説得して大先輩も一緒に移ってもらった。 相模アルパインは自分にはずっと敷居が高く、海外でクライミングしていたり、アルパイン初心者の私にとっては雲の上の存在であるKご夫妻のことも話に聞いていたので、強者ぞろいの会でやっていけるか不安だったが、平日休みのミスターTさんと岩やアイスのゲレンデでご一緒してもらい、一大決心で移ってきた。 入ったら居心地が良く、さんがミスターTさんを育てるのに便乗していろんなルートに行き、1年でかなり成長させてもらってまさに天国だった。(一大決心して良かった~) 他にも面倒見がよく優しい先輩達にも機会があるごとに教えてもらいフリークライミングは随分上達した。(最初が下手なのでこれからだが1年前とは全然違うと実感している) この会が居心地がいいのは、多分、みんな山・岩・沢に行きたくて行きたくて、目的のためにそれぞれが努力(仕事をやりくりしたり、家族の同意をとったり、技術を向上したり、体力をつけたり、安全のために知識を吸収したり)して、単純にそれだけを考えているのが自分と同じだからだと思う。(山バカ?) 自分が成長していろんなルートに行きたいということの他に、実は教えてもらった恩返しのこともあって、入会目的の一つに後進を育てる手伝いをしたいと大層なことを書いてしまったので、人見知りで実力不足だが、後輩に微力ながら何かとっかかりを得るお手伝いができればいいなと思っている。 長年のスポーツのせいで膝の故障があり、いつまでできるか分からないが、少しずつでも技術的にも精神的にも人間らしく?成長して、このままクライミングを続けていけたらと願っている。

(了)


【1月の例会】

日時:1月19日 19:30~21:30
場所:相模原市大野南公民館
出席:わかさん(司会)、ton(議事録)、なべさん、純、KuriG、みず、R1000、Tatsu、koji、かず、ケンタ、Kimi、たまのり、史一、みほさん、佐和ちゃん、ねこ、しんご、しんめい(19名)
見学:1名

例会後の懇親会


【新規掲載の山行ブログ】

◆ 2021.12.19     谷川岳雪上訓練 (koji)
◆ 2022.01.08     【冬合宿】石尊稜 (しんご)
◆ 2022.01.09     初の雪山山行 (Tatsu)


おわり

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会員は相模原・厚木エリアを中心に、
町田、横浜、大和、座間、海老名、八王子に在住し、
様々な登山ジャンルで活動している地域山岳会です。

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