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昇天の氷柱

昇天の氷柱は昨年から気になっていたルートだ。理由は1、アイスのマルチピッチルートであること 2、途中にⅥ-のピッチがあること 3、結構多くのパーティが登りに行っていること(という事は、メッチャ難しいルートではないということだ、シメシメ!)等等である。
昨年登ろうと計画していたら、急に暖かくなって氷が溶けてしまったので、今年はそのリベンジである。混雑を避けて平日を狙ったのは、上記の様に取り付くパーティが多いと聞いていたからだが、平日でもガイドパーティがいるぞと脅かされた。
そのため早朝四時に起きて、暗いウチに駐車場の内山峠に着いたが誰もいなかった。 アプローチは昨年来ているねこさんのおかげでスムーズに取り付きへ。


1P(40m)ⅴ+
 このピッチは氷のトンネルがあって、ねこさんに聞けば「体の大きい人はつかえて苦労していた」が私くらいならなんとかなるとのこと。「大丈夫!」と聞いていたので気楽に突入したのだが、トンネルのサイズはまさに私のジャストインサイズ? 両肩がすっぽりはまりまくり手を上に出すことができない。あまりにもピッタシなんで落ちる心配もないのだが、ここに塡まっていては上にも進めない。肩をゴリゴリと氷にこすりつけて 、ようやく両手をバンザイ、そして隙間からアックスをそろりそろりと引き上げて脱出した。ちなみにねこさんは、予め周囲の氷を壊してすり抜けてきたとのこと。ウーン賢い。



2P(25m)ⅳ-
 ねこさんスクリューを打ちながら、危なげなくリード。下から見てたら右側の下が空洞になっている氷の方へ行くのでオイオイと思っていたが、ルートはそちらが正解だった。

3P(16m)ⅵ-
 いよいよ核心のピッチ、しかし1ピッチ目の「人間ジャミング」をくぐり抜けてきた私にはもう怖いものはない。おまけに要所要所に光り輝くペツルボルトが設置されている。
ボルトとボルトの中間にスクリューを埋めながらこのピッチを突破。終了点に着き、ふと上を見上げると、何かヘン、ン? 最終ピッチの上部抜け口に氷が無い、そこには見るからに細く頼りない氷が僅かに残り、上部には黒々とした岩の壁が続いていた。


4P(25m)ⅴ
ッタク!あるべきとこ所にあるはずのものが無いほど困る事はない。アイスのルートにはしっかりと氷が張っていて欲しいもの。
 終了点まで上がってきたねこさんも「前回来た時は、最上部に笠の氷が発達していた」「ウーン、どうしよう?」と当惑。登れなければ、ここから懸垂で敗退するしかない。
 迷った末、行ける所まで行ってみることにして登り始める。乏しい氷を壊さないようにそっと打ち込みながら、中間点くらいまで登る。するとオオ!なんと壁の左に、「希望の残置ハーケン」を発見、俄然勇気が湧き左のアックスを背中に突っ込み、防寒テムレスも脱ぎ捨て、インナー手袋のクライミングで登り終えた。(落ちなくて良かった!)
 人間ジャミング、氷無しのアイスをくぐり抜け、無事サンサンと陽の当たる終了点の木立へと達したのであった、メデタシメデタシ。

[メンバー] ねこ(L)、純
[山行日] 2022.02.08(火)

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町田、横浜、大和、座間、海老名、八王子に在住し、
様々な登山ジャンルで活動している地域山岳会です。

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