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初めての赤岳主稜

今回の赤岳主稜、私にとっては仕切り直しの山行であった。

2015年1月11日、当時所属していた会の氏とお互い初めての赤岳主稜に臨んだが、低温、霧雪の中の取付きの渋滞を見て、二人ともその時の気温に長時間は耐えられないと、さっさと赤岳 PH に切り替えた。気が付けば、あれから8年が経っていた。

2015年1月11日 取付きまでの渋滞
(更に登山道にも渋滞待ちパーティーあり!)

2015年1月11日9時頃の赤岳山頂

今回の山行は今年1月の冬合宿を機に話がまとまり、そして天候にも恵まれ、初めて赤岳主稜を登ることができました。

赤岳沢右ルンゼのトラバース

文三郎尾根登山道の登高途中で若者4人組に道を譲り、CS チムニー取付きへの赤岳沢右ルンゼのトラバースへは2番目に入り、1P 目取付きで待機となった。


1P 目(リード&コメント:しんめい

取付きで順番待ち

CS チムニー手前の雪の傾斜面で先行パーティーを長い時間待っている間に足腰が冷えて固まり、CS を越える際に固い体がより固くなり難儀した。
CS チムニーを抜け右上バンドを上がったところで、その直ぐ先のビレイポイントには先行パーティーがまだ居たので、残置ハーケン x1 でセルフを取りフォローを肩がらみで確保した。次のピッチ、リードを mimi さんに交代し、セカンドのけいさんが登っている最中に後続2パーティーが追いついてきた。

ラストのけい


2P目(リード&コメント:mimi

フォロワーをビレイ中の mimi

階段状の岩場のリッジ沿いを登るやさしいパートだが、念の為持ってきた斜めがけのカムが前に下がってきて登りにくい!(結局今回カムは誰も使わず運んだだけであった^ ^)途中ハーケンが2つほどあったと思う。上部は雪稜。先行パーティーがビレイポイントにいたのでその横の適当な岩でピッチを切る。


3P目(リード&コメント:けい

リード中のけい

mimi さんに続き、3P 目を担当。雪稜部分が大半であったため、登攀上の問題はなかったが、その分残置ハーケンやペツルがなく、どこで中間支点を取るか悩んだ。ロープの残量が気になり、途中で見つけたペツルで終了点を作ってしまったが、もっと先の方が良かったのかも。ただし先は足場が安定していたので、mimi さん、しんめいさんを引き上げた後、先に上に上がっておいてもらうことができた。

フォロワーをビレイ中のけいとラストの mimi


4P目(リード&コメント:しんめい

中間の岩場

中間の岩場といわれるところ。先行パーティーがまだいたのでしばらく待った。岩場には残置ハーケンが途中に2つ程あった。岩場を抜け、雪混じりのリッジの岩にもペツルがあった。さらに進むと左手上方の細い灌木で、先行パーティーがピッチを切っていた。どうしたものかと見回すと、リッジの続きの低い岩にペツルらしき物が見え、ロープ一杯まで進み、その1つのペツルでピッチを切った。


5P 目(リード&コメント:mimi

5P 目に臨む

登り始めに念の為灌木でランニングを取って斜面にアックスを刺しながらひたすら登る。先行パーティーがいるビレイポイントの横の岩で支点作り。後続が続々と登って来ていたので、時間短縮の為にしんめいさんとけいさんに同時に登ってもらう。ビレイ中に2パーティーが登って来て皆で先行の学生パーティーが抜けるのをまだかまだかとワイワイと待つ。大渋滞だけどここは日当たりが良くてポカポカ、癒されました。

ラストのけい


6P目(リード&コメント:けい

しんめいさんに「やる?」と言われ、「えーーー」と言いつつ取り付いたが、岩を右に回り込んだ後、ほとんど垂直に登攀する羽目になった。もしかしてルートを間違えたのか?とも思ったが、定期的に古いハーケンが出てくるのでそれに導かれて登って行ったら、登ることも降りることも出来なくなってしまった。「詰んだ・・・」と思ったが、そこでやめるわけにもいかないので「考えろ!考えるんだ私!!」と思って必死で考えたら、「冬グローブを外す」という禁じ手が浮かんでしまった。薄手のグローブになったら何の問題もなくすいすい登れ、登り切ったら大変立派なペツルで終了点が作ってあったので、そこでここが核心だったということに気がついた。グローブが外せるお天気で良かったです(汗)

セカンドの mimi


7P 目(リード&コメント:しんめい

6P 目の核心部分、古い残置ハーケンのランナーを回収し攀じ登ろうとするも、冬手袋で手掛かりが悪いし手足に力が入らない。二人ともよく登ったな~~~何故かパンプしそう、落ちるかも・・・、と見回すと右手の傾斜緩めの狭いチムニー状の壁に光るペツルが見えた。そっちが楽そうに見えるけど壁の途中からは行けないので、左のリッジに回り込んで二人の待つビレイポイントへやっとのことで着いた。

これで疲れてしまった。7P 目のリード中にカラビナを落とし回収してもらったりと・・・う~ん今一つ。
最後の岩の凹角手前でロープの残りが数メートルとのことで、右手のリッジに上がりピナクルでピッチを切ったが、斜め左上の凹角左手に残置ハーケンが2つ見えたので、mimi さんとけいさんの二人にはそこまで登ってもらい、mimi さんへリードを交代した。

下方に文三郎尾根


8P 目(リード&コメント:mimi

ルンゼの狭い入口にセルフを取ってスタートを待つ間に、足がかなり疲れてきた。ルンゼを登っているとふくらはぎがパンプしてるがとにかく進む。ランニング取れ無いな、と思っていると左側の岩に新しいペツルを一つ発見。その上方の岩が集まった所でその先に行けるか見廻すと昔、秋に来た時を思い出した。左に周ると登山道だ!終わったーー!! ほっとして岩で支点を作りしんめいさんたちに登ってもらう。ここでロープをたたんで山頂に向かう。

ルート無事終了!


6P 目の待機中に見えた山頂には人影が数人ありましたが、私たちが着いた時には貸し切りでした。

赤岳山頂に立つ二人

未完が一つ減りました。二人に感謝です。

[コースタイム]
3/4(土) 相模大野駅[6:30]=美濃戸P[9:26/9:53]~赤岳山荘[10:50/11:06]~ポンプ小屋[11:52/12:00]~赤岳鉱泉[13:05]
3/5(日) 赤岳鉱泉[4:10]~行者小屋[4:50/5:10]~文三郎尾根・取付きへの横断点[6:10]~主稜終了[13:13]~赤岳南峰[13:35/14:00]~文三郎尾根~行者小屋[15:07/15:19]~赤岳鉱泉[15:44/16:12]~美濃戸口P[17:59]=帰路

[メンバー] しんめい(L)、mimi、けい
[山行日] 2023.03.04(土) – 03.05(日)

written by:しんめい
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会員は相模原・厚木エリアを中心に、
町田、横浜、大和、座間、海老名、八王子に在住し、
様々な登山ジャンルで活動している地域山岳会です。

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