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入会について

鹿島槍ヶ岳東尾根

いつかは行ってみたいと思っていた鹿島槍ヶ岳の東尾根ようやくチャンスが訪れてくれた。M井さんは以前来たことがある経験者なので心強い。ただ、この時期で2日間の行程は強行ではないかと一抹の不安はあるものの機会を逃したらまたいつ来られるかわからないので行くことにした。大谷原に着くと車一台止まっておらず一番に到着するが、天気がイマイチで雨がパラパラ降っている。暫くするとM井さん所属会の別パーティが到着。天狗尾根に行くパーティである。雨の様子見で一時間ほど遅らせ準備をしている最中に別のパーティの車が集結し4人パーティである。後でわかったことだが長野労山のパーティでリーダーが75歳の高齢であるが年齢相応には見えないほど体力がある。じゅんさんのことを知っている方であった。天狗尾根パーティが先行して出発し、少し遅れて我々が出発する。林道歩きから始まり、林道分岐を直進し少し行ったところの沢筋から取付くが途中から沢水が流れ始め沢から離れ急斜面を上がり尾根に上がる。雪の状態は締まっておらずグサグサで歩き辛い。尾根に乗ってもトレースはない。


一ノ沢付近で4人パーティが追いついてきた。トレースの有無ではあっという間に追いつかれてしまうものだ。4人パーティに追い越されたところで雪壁現れロープを出すことになり4人パーティのリードが先に登りそのあとにM井さんが続いて登りそのあとに私も続いて先に登らせてもらうも雪がグサグサでアックス、アイゼンなかなか決まらず外れてしまう。4人パーティのリードがつけたステップも壊してしまう始末で跡がないところから登ればと4人パーティのリーダーにアドバイスをいただき何とか登ることができた。雪壁を登り終えたあたりでソロの方が追いついてくるも付かず離れずの距離を置いてトレースをあてにしているのだろうかと思ってしまう。4人パーティはこの雪壁を登り終えた先で泊まるとのこと。


私たちは少しでも第一岩峰付近まで行きたいということなので足を進めるもこの雪壁の先もリッジ上には雪が残っているが雪の状態が良くないかもしれないので左側から回り込んでから登ろうとしたが行く先が谷底となり引き返す。それを見ていたソロの方がリッジに残っている雪道を歩いていくので私は恐る恐るM井さんのあとに続いて歩く。


天気よく気温も高いので天狗方面の谷筋から何度も雷のような轟音が鳴りよく見ると土砂交じりの雪崩が発生していた。


二ノ沢手前でソロの方が立ち止まったので追い越し二ノ沢ノ頭で我々も休憩する。ソロの方もこちらの動きを伺っている。M井さんもそれを察したのかなかなか行動しない。しびれを切らしたソロの方はそこで今日の行動は止めたようで、スコップ取り出し整地し始める。それを見たM井さん二ノ沢ノ頭を出発する。


2200m付近の雪稜を登るがM井さんなかなか進まず交代して先頭を代わる。2090m付近で広めの尾根だったのでここでテント張ることになる。17:00頃やっと行動が終わるがここから整地のアルバイト。


水作り、夕食取って20:30頃に就寝。夜半は思ったほど寒くなく風も時折強く吹く程度であった。3時ころ起床し出遅れて5:40頃出発第一岩峰ではない岩場が出てきたあたりで雪稜となりロープを出す。4Pほどツルベで登っていると下の方から話し声が聞こえてくる。昨日の4人パーティである。早くも追いつかれてしまう。第一岩峰私リードで登る。


少し上がったところにハーケンあり気分的に安心する。左に回り込んで直ぐに雪稜帯に取り付き中間の灌木懸垂用の残置ロープがかかっていたところでビレー。M井さん登っている最中にソロの方が横をフリーで上がっていく。


続いてM井さんそのままリードで上がっていく。ここも4Pほどツルベで登るが3P目ほどで4人パーティが第一岩峰は登らず雪稜帯をフリーで登って行った。我々も4P終えたところで時間がかかり遅くなるのでフリーで行こうということを提案して第二岩峰までロープなしで登る。トレースもあるので助かった。


先ほどから第二岩峰の中間で赤い色が見えるが動く気配なし。視力が良くないので人なのか何なのか良く分からなかったが、近づくとソロの方だった。全装での核心はフリーで上がれなかったようで2番手の4人パーティが手伝うもなかなか上がれないようでいる。後ろにいるM井さんがザック降ろしてザックを引き上げればとのアドバイスをするが空身でも難儀していたようだ。しかもザックが重たかったようでなかなかザックを回収することができないようで先行2パーティが終えるのに1時間半ほどロスしてしまう。そのあと私リードで登るが核心全装でトライするが怖くて登れず、ザック降ろして空身で登り核心抜けたところでザック回収。回収にも岩に引っかかり時間がかかった。


終了点近くの岩がグラっと動きいつでも落石になる状態で今落とそうかM井さん登ってきてから落とそうかと迷う。M井さん登ってくる間に動いたらどうしようかと不安もあったが、時間かからず登ってきたので助かった。後続はいないのでその岩を落として安堵する。ここからはロープを片付け山頂に向かう。中間あたりで4人パーティが降りてくる。昨日のテンバに戻るようだ。空身で上がってきたから早かったようだ。山頂に着くとソロの方とすれ違う。ソロの方は来た道をその日のうちに下山するようであった。


北峰に着いた時には14:30を過ぎていたので下山遅れは決定的と思い早めに下山遅れを会に連絡する。


南峰まで夏道30分ほどだがとてもその時間では行けそうな距離でもない。夏道、雪壁どちらからでも登れるがお互い好きな方から登る。1時間ほどかかり南峰に到着。


南峰から冷池までは夏道となりアイゼンなしの山靴のトレースがある。アイゼン外したいと思いつつも面倒であった。その代わりストックで歩くとずいぶん楽であった。冷池に着いた頃には日没間際。会に電話連絡を入れ状況説明し、計画通り赤岩尾根から西沢経由で下りる。赤岩尾根分岐でヘッデン点け雪壁のトラバースを下る。日が暮れていること、雪の状態も悪くトラバース抜けるのも1時間ほどかかってしまう。以前ダウンロードしたログを頼りにGPSを使って方向確認して方向修正しながら下る。西沢まで来ればあとは暫くここを下ればよい。ブロックが多く歩き辛く、敢えてブロックのない歩きやすいとこを選んで歩く。西俣出合には橋がなく雪も繋がっていない。上流の方を歩くとスノーブリッジがかかって有りわたることができ丁度林道に着いた時には日付が変わったころであった。林道も所どころ分かり辛く右往左往し2時前に無事駐車場に着いた。

[メンバー]M井(L,他会)、みず
[山行日]2022.04.16(日)-17(土)

written by:みず
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会員は相模原・厚木エリアを中心に、
町田、横浜、大和、座間、海老名、八王子に在住し、
様々な登山ジャンルで活動している地域山岳会です。

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