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(No.32) 小川谷廊下

観測史上最速とのことで6月に梅雨が明けてしまい、以降連日の猛暑日。どっぷりと水に浸かる本遡行にとってベストといえるコンディションです。とはいえ、かつては県民の森付近まで車が入れましたがこの数年は林道崩壊により玄倉から車両通行止め。砂利運搬の大型ダンプを避けつつ砂煙が舞う玄倉林道を経て、やや急坂の中ノ沢林道に入り、早朝から猛暑のなか汗だくのアプローチとなりました。

低い石塀がある下降点入口で沢装備を整えて、急斜面を下って穴ノ平沢の堰堤を二つ降りると小川谷の開けた河原に出ます。歩きはじめてわずかで、水流豊かな3m滝が現れます。右からややハイステップして乗り越えましたが、ケンタは腰を変にひねってしまい左腰の鈍痛と左足に何か力が入らない感じが残ってしまいました。

チョックストーン2条 4m 滝は核心の一つといわれていて、今更ながら屈伸運動やストレッチをしてから右側に取付きました。手前の残置は使わないで、奥の水流があるチムニー状部分から空身で攀じります。腰の痛みはなんとかなりそうです。

右苔壁6m滝は釜に腰あたりまで入って左から、しばらく行くと2段 2m5m 滝で先行パーティーに追いつきました。1段目は流心横をハイステップで上がり(腰イタタ)、2段目は左カンテを登ります。ここはガバですが高度があり怖いところです。すでにゴルジュっぽく、石英岩系の緑&白い風景に、水量豊かで透明な沢水が映えて、また目線から上は新緑も鮮やかで、本当に美しい。ハイライトの石棚ゴルジュに向けて期待に胸が高まります。



またまたゴルジュ地形となり、登れない 6m 滝は左巻きとして(取付きで左足に力が入らず 3m 程度ズリ下りたが無事でした)、トラバース。沢に戻ると名物のつるつるの大岩があります。岩右下の水流が浅くなっていてあっさり腰程度で突破します。



いよいよ石棚ゴルジュに突入です。へつりや突っ張りムーブも交えてシャワークライミングを満喫しました。きれいな釜も多くあり、途中からへつりはやめて泳いだりしました。5x15m 多段ナメ滝は最終段がやや難しく流心右をステミング気味にじわーっと登ります。ガッツさんは左壁をガッツで登りました。

20m 石棚は左巻きの岩壁状の登りです。踏み跡がありまた古い残置ハーケンとかもありますが、ホールドは動くものがあり高度感も出てきます。遡行を通じてロープは使いませんでしたが、ここではロープを出す方がベターでした。

ラスボスのトイ状 5m 滝では、腰痛が残っていてどうしようかなあと思っていたところ、右岸に明確な踏み跡が見えてしまい、ガッツさんはもうお腹一杯の様子。あっさりと巻いてしまいました。

崩壊した堰堤を水流通しに左からくぐると河原に出ます。ここで廊下の遡行は終了です。河原をとぼとぼと歩くと東沢出合の堰堤があり、左面を上がると小川谷右岸径路にでました。1時間ほどで入渓の穴ノ平橋に着いて、沢装備を解除しました。ケンタは右足首付近のソックス上からと、腕時計バンド脇の2箇所でやまビルに噛まれてしまいました。ガッツさんは無事でした。日頃の行いの差でしょうか(笑)。さらに林道を1時間ほど歩いて玄倉バス停に戻りました。

バスを途中下車して、山北のさくらの湯でサッパリ。駅前の渋い居酒屋さんでプチ慰労会をして、帰路に着きました。

猛暑でアプローチと下山は汗だくでしたが、丹沢随一の美渓、不必要なシャワークライミングや泳ぎもしつつ、水と存分に戯れて充実した山行になりました。ボルダーな岩・滝が要所要所に現われ、思いのほかスリリングでした。

[メンバー] ケンタ(L)、ガッツ
[山行日] 2022.07.02(土)

written by:ケンタ
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会員は相模原・厚木エリアを中心に、
町田、横浜、大和、座間、海老名、八王子に在住し、
様々な登山ジャンルで活動している地域山岳会です。

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